講師資格試験を受験する
朝10時から日本共産党が毎年おこなっている講師資格試験を受験した。この試験は、「しんぶん赤旗」紙上でも試験日がお知らせされて、全国一斉におこなわれているものだ。ぼくが受験したのは中級の第2課、「科学的社会主義」だ。
科学的社会主義は、空想的社会主義に対応した言葉で、哲学、経済学、運動論(階級闘争の理論)に分かれている。試験に出るのは、おもに哲学と経済学だ。
マルクスとエンゲルスが、空想から科学へと社会主義の理論を発展させた。とくに空想から科学への発展は、史的唯物論と剰余価値による資本主義的生産の秘密の暴露によって成し遂げられたものだ。
科学的社会主義の哲学は、唯物論と弁証法によってなりたっている。この分野は若い頃かなり本を読んで勉強した。ものの見方考え方の基本がこの哲学にある。科学的社会主義の哲学で面白いのは、唯物論は、自然科学が発展するたびにその形態を変えなければならないというところにあって、たえず開かれた系として存在していることである。
経済学は、マルクスの資本論にその成果が集中的に現れている。マルクスの資本論が古くならないのは、資本主義の分析を商品からはじめ、貨幣が商品になること、労働力が商品になること、労働力商品の特殊性によって、労働者が価値どおりに賃金を受け取ったとしても資本主義的な搾取が発生することを明らかにしたことによる。マルクスの時代から資本主義は、比較にならないほどの発展を遂げたが、マルクスが明らかにした資本主義の抱える問題は、解決しがたい矛盾として横たわっている。
“21世紀のマルクスが世界のどこかで歩いている”──こんな表現が生まれる理由はここにある。
今回は、まったく予習をしないで試験を受けた。試験は大学のテストと同じように記述式だ。文章を書くのが好きなので、2時間考えながら試験を受けるのは楽しかった。
ただし、できは悪い。準備をしていなかったので、設問にカキッと答えきれなかった。
試験が終わった後、文献をインターネットで検索して学び直して不十分な部分を確認した。
次回受けるときには、予習をおこなって内容の濃い答案が書けるようにしたい。
Blogを毎日書いているので、文章の構成力は格段に上達していることを感じる。しかし、いつもはパソコン上で文章を書き、時には並び替えたりして書いている。今日は手書きで書くという作業だったので勝手が違った。とくに漢字を思い出せない。今日の答案でいえば、奴隷制の「隷」という字がどうしても書けなかった。ひらがなになった。
パソコンで文章を書くスピードは、手で文章を書くスピードよりもかなり早いと思われる。漢字を思い出す必要がない。書くよりも読む方が速いので漢字の誤植の確認はさっとできる(とは言っても、ぼくのBlog、変換ミスがかなり残っていますよね)。
議会では、当局の答弁を議案に書き込みながら、同時にどう切り返すかを考えている。漢字なんか思い出している暇がない。わからない字はどんどんひらがなで書く。走り書きだし、ひらがなだし、あんまり人に見せるものではない。ノートなんか必要ない。議案のその場所に書き込んでいかないと、どこに書いたのかがわからなくなる。本に対してもそうだ。自分の本なら線を引くし書き込みをたくさんする。場合によっては、かなり文章を書き込むことがある。
パソコンで文章を書く場合、わからないことが出てくるとインターネットで検索する。事実をきちんとふまえる必要がある場合は、文章を書く作業をとめて検索し、関係する文献を読む。事実に対しては、忠実でありたいと思うからだ。
文章を自由自在に書きたい方は、Blogで練習するのがいいと思う。評論あり、エッセイあり、日記あり。Blogなら普段絶対に書かない小説形式の文章も書ける。誰も読んでくれないかも知れないが、連載小説を書けばいいのだ。
あんまり毎日Blogに日記を書いているので、家族から「お父さんはパソコンと結婚したのか」と言われている。たしかに、かなり病気のように、中毒患者のように、Macに向かっている。
パソコン中毒患者のみなさん。家族に見放されないように。
さて、自宅に帰るとしよう。
ディスカッション
コメント一覧
はじめまして。入党2年目の者です。最近、初級の講師資格試験を受験するよう勧められ、半強制的に申し込み用紙に氏名を書かせられました。試験はテキスト持ち込み可で簡単だと言うのですが本当ですか?また、初級であれ、講師資格を取れば支部内での発言力は増すと思ってよいでしょうか?
受験の準備の仕方も含めてアドヴァイスをお願い致します。
講師資格試験に持ち込めるのは、指定されたテキストと自筆のノートです。論文記述式の試験です。
講師資格試験に合格してからすべきことは、講師でしょうね。講師になれば、勉強するので自分の認識が深まると思います。
それをもって発言力が増すわけではありません。自分たちの活動を分析したり総合したりする力、書物を読み解く力が身についてくれば、次第に発言力が増すと思います。試験は、そのきっかけです。科学的社会主義は、人類の知識の総和(レーニン)と言われてきました。哲学(史的唯物論を含む)と経済学を学べば、科学的なものの見方の基礎ができるので、自分の生きた力になります。
日常的な学習は、論文とともに文学を基礎にすえるのがいいと思います。論文は、理論の力によって、世界を読み解こうとするもの、文学は、描写という方法で歴史の中に生きる人間社会を描くというものです。文学を読めば、自然と想像力が身につきます。いろいろな話を人から聞いたときに、豊かなイメージを持って相手の話を組み立てられるようになれば、それは、論文を深く理解する力にもなるし、日常生活の中で人の心が分かる人になれます。
受験は、過去の試験内容が月刊学習に掲載されているので、それをみればどのような問題が出されるのか分かります。講評も載っているので参考になります。勉強するための本としては、綱領は志位さんの講義の本、科学的社会主義は、不破さんの古典講座などがいいと思います。党史は、日本共産党の80年?ですね。規約は規約そのものを読めばいいと思います。
くわしい御返答をありがとうございました。よくわかりました。
ところで講師資格試験は今年はいつごろあるのでしょうか?「しんぶん赤旗」誌上に出るまではわからないのでしょうか?そして初級と中級とは試験日は別ですか?
質問がさらに3つあります。お時間が許されましたら、よろしくお願い致します。
(1)私は入党2年目と書きましたが、よく計算したら3年目でした。ところで最近、支部長をしてほしいと依頼されました。正式には選挙を経るのでしょうが、もし選ばれたらどうしようかと思っています。3年目の党員で支部長というのは異例でしょうか?
(2)共産党には給与をもらって活動する専従活動家が中央委員会から地区委員会までおられるそうですが、すぐに思いつくのは渋谷区千駄ヶ谷にある党本部ビルの常勤職員です。都道府県の委員会でも同様のビルと職員がおられるのでしょう。しかし地区委員会ではそういう建物や常勤職員がおられるようではないですが、地区委員会の専従活動家は具体的にどのような仕事をされているのですか?たとえば、「しんぶん赤旗」の配達や集金で賃金を得ている人も、地区委員会の専従活動家に含まれますか?
(3)地方の議員さんの位置付けについてです。党の組織図を見ますと、国会議員は常任幹部会から選出されるということで中央委員会に位置付けされていることがわかりますが、地方議員の方々は各都道府県の委員会と地区委員会に属しているかたちなのですか?党内での肩書きとしては、県議会議員は県の委員、市議会議員は地区委員ということになるのでしょうか?
以上、よろしくお願い致します。
(1)3年目の党員でも支部長を引き受ける例はあると思います。
(2)地区委員会にも、事務所がそれぞれあります。ビルの場合もあれば、民家を事務所にしている場合もあります。地区委員会の仕事は、担当する市町村における政治の革新と国政選挙における選挙運動ですね。市町村における政治の革新には、地方自治体における議員選挙や議員活動をはじめとする地方政治の革新という仕事とともに、職場・地域・学園における日本共産党の活動をサポートする仕事があります。日本共産党は、「国民の苦難の軽減」を立党の精神とした政党ですから、さまざまな分野で働きやすい職場をつくる努力をしたり、農民、業者、女性の運動、文化活動、地域におけるさまざまな活動などに関わって、平和を守る運動や民主的な運動の発展に貢献するために努力しています。
ホットな話題である原発再稼働反対、原発の廃炉を求める運動にも真剣に取り組んでいます。
日本共産党の組織活動のサポートが、地区委員会の専従者の仕事でもあります。大きな地区委員会では、赤旗の収入で専従者を雇っているところもあると思います。
(3)県会議員の方々は、基本的に県委員になっている例が多いと思います。ただし、議員=役員ではないので、議員になれば全員が県委員や地区委員(市町村議会議員)になるわけではありません。ぼくは、町議会議員ですが、地区の副委員長で県委員でもあります。
19日に初級の講師資格試験を受けたのですが、出来は5分5分です。まったく思いもよらぬ問題で、「学習」誌掲載の過去の問題とコメントをノートに書き写した、あの膨大なる時間と苦労が一瞬にして水蒸気爆発のように吹っ飛びました。愕然たる思いで、答案に鉛筆を走らせました。しかし何はともあれ志位委員長の創立記念講演から国民的運動、4つの転機に関する箇所を書き写してゆきました。志位委員長に限らないとは思いますが、内容が綱領と同じで、1つの項目が立てられると、またその項目下にいくつかの項目があるという重層構造なので書くのに疲れます。答案用紙は1問だけで4枚も使いました。とにかく1問目はある程度は書きましたが、問題は2問目の「日本共産党」というネーミングの由来がダメでした。なんと新入党員用のパンフからの出題で、まったく盲点でした。持ち込み不可なのでノートにまる写ししておかなければ誰も正しくは書けなかったはずです。私は開き直って、日本における共産主義社会実現を党是とする政党だから・・・みたいなわかりきったことを書いただけです。でもそれだけのはずがないので、あとは規約から関係する箇所を抜き書きしただけです。かえって余計な文言を並べるかたちになったので、2問目は完全にOUTでしょう。そうなると1問目が8割出来ていたとしても不合格の可能性の方が大ということになります。しかし、なぜ「日本共産党」なのかなんて、この政党名がなぜ一貫して変えられなかったのか?という問いとは違うので、あくまでも党名の由来のみを問うているわけなので、本当はいろいろ答えるような問いではないはずです。不合格の場合は、2問目の正解内容によっては異議申し立てをすることになると思っています。
もし不合格ということになれば、かなりの数の人々の前に恥をさらすことになるので気になるのですが、発表はいつ頃でしょうか?都道府県によって違いますか?違うとしても1カ月のズレはないですよね?
以上、報告がてら発表時時期についてお教え願う次第です。よろしくお願い致します。
発表の時期は、中央委員会が決めることなのでよく分かりません。3か月ほどすれば結果が出てくると思います。
2問目、日本共産党という党名の由来ですか。
歴史的には、コミンテルンの日本支部として出発し創立の時から日本共産党を名乗ったということですね。日本共産党には、書かれているように日本における共産主義社会の実現という目標が書き込まれているということ、2つは、侵略戦争に反対し主権在民を命がけで貫いてきたたたかいの歴史が刻まれていること、戦後自主独立の立場を確立してからは、日本共産党という党名には、この自主独立という立場が込められているということ。
でしょうか。
第2問がきちんと書けなかったからと言って、落胆することはないですよ。経験で言えば、ぼくは、3問中、1問については全く見当外れなことを書いたことがあります。その時も合格できました。「日本における共産主義社会実現を党是とする政党」という一番肝心なことを書いているのだから、大丈夫だと思います。
学習にとって大事なのは、命題に流れているいわば「精神」を学ぶことです。中央委員会の言葉を金科玉条のように覚えて書くということではありません。論理の構造や命題への答が真理なら、その真理を表現する方法は、ものすごくたくさんあるということです。自分の言葉で語れというのは、そういうことだと思っています。
これからも頑張ってくださいね。
講師検定試験の過去問はネット上では公開されていないのでしょうか?
ネット上には公表されないと思います。
『月刊学習』という雑誌に載っています。
入党してまだ4ヶ月です。
安倍自公政権が強行可決した安保法制が許せない、その思いが自分を政治無関心から大きく変化させてくれました。憲法九条を守り戦争しない政治を取り戻すとして国会前に集まる多くの人たちの思いに共感して活動を強化しようと思っていました。今日の日刊紙に資格試験の案内があったので、早速検索し、書き込んでいます。
池田さん、講師資格試験頑張って下さい。
日本共産党の科学的社会主義は、哲学に基礎をおき、経済学と社会主義、革命論という分野に分かれています。この理論は、人類の知識の総和と呼ばれる開かれた理論体系を持っています。哲学は自然科学に基礎をおいているので、自然科学が発展するたびに哲学も発展するという関係にあります。この科学的社会主義の理論に導かれて作られたのが日本共産党綱領です。
具体的事実の具体的探究のなかで理論が生きるので、「根本的にことに通じる努力」が何よりも大切になります。
講師資格試験の中級には「(地区)講師 – 地区レベルでの教育を行う。大衆教育をする上で最小限に必要な理論的・政治的知識を身に付けさせる。」ものと、「中級(都道府県)講師 – 都道府県委員会レベルでの教育を行う。大衆教育をする上で必要な理論的・政治的知識を身に付けさせる。」ものとに分かれているそうですが、これは科目の区別ですか?たとえば「党史」と「綱領(と政策)」の合格者が前者で、「科学的社会主義」と「党大会決定と党建設」の合格者が後者とか、そういうことですか?違うなら、中級試験が2種類あって、それぞれに「党史」と「綱領(と政策)」と「科学的社会主義」と「党大会決定と党建設」があるということですか?
そして中級の全科目をパスしなくても上級の論文試験を受けることができますか?
読者さん、コメントありがとうございます。読者さんが引用している「」の文章は、どこに書かれているものでしょうか。何かの引用であるとすれば、かなり古い文献からの引用ではないでしょうか。
大衆教育という表現に、ものすごく古くさいものを感じます。現在の日本共産党は、党員と国民を対等平等のものとして認識しています。労働組合と党との関係も対等平等です。したがって、国民に対して日本共産党は、大衆教育というような言葉を使うようなことはなくなりました。
大衆教育というような表現は、日本共産党を前衛党と規定していた時代のものだと思います。
党綱領改定時の規約改定では、日本共産党の自己に対する規定としての前衛党という規定を改めました。それ以前の規約で日本共産党は、労働者階級の組織の中で最高の組織という規定を持っていました。この規定は、あくまでも日本共産党員が、党をどう位置づけるかというものでしたが、党活動を最優先する、何よりも党を大切にするということを求めるものでした。
前衛党の規定は、党内の規定に過ぎないものでしたが、この規定は、党員と大衆を区別したり、党員の方が優れているという誤解を生じさせたり、党を優先させる姿勢によって誤解を与えたりしていたと思います。
前衛党という規定を改めて、国民と党とは対等平等の関係にあり、日本共産党は、国民の中にある進歩的なさまざまな運動が発展するように応援するというものに変わりました。
現在の講師資格試験は、初級と中級に分かれています。初級試験というのは、綱領と規約の理解を問い、論文形式の記述試験を行っています。中級試験というのは、綱領、規約、党史、党建設、科学的社会主義という科目に分かれています。初級試験は入門編で、中級試験は、初級よりもより分野ごとの認識を問う試験になっています。
>現在の講師資格試験は、初級と中級に分かれています。
・・・上級試験はないのでしょうか?あるとしても党員の誰もが受験することはできないのでしょうか?
どのような条件をクリアーしたら上級試験を受けることができるのですか?
ちなみに私は中級の綱領(と政策)まではクリアーしました。あと、科学的社会主義は受けるつもりですが、党建設云々は飛ばして上級試験に挑もうかなと思っている次第です。
でも、誰でも上級の論文試験に挑戦する資格はないのでしょうか?
中級から上の上級試験はないと思います。
御多忙中おそれいります。質問ですが、今年、2017年の講師検定試験は実施されているのでしょうか?10月に予定されていたと思いますが、総選挙の時期と重なったので中止になったのではないかと思い、確認させて頂きたく送信した次第です。中央に問合わせると回答がとても遅くなるので、そちらさまへ質問した次第です。以上、よろしくお願い致します。
遅くなりました。10月15日の講師資格試験は総選挙のために中止されました。