侵略戦争と植民地支配は動かない
戦後70年に際してのコメント、少し過剰なやり取りになったようですね。熱くなりすぎました。
侵略戦争だったかどうか。という点では、日本社会の中でも真面目なレベルでは、はっきりと決着のついている問題です。この問題を終えるために、安倍首相のブレーンとなった有識者会議の報告書を引用しておきます。
この有識者会議は、今年の2月19日、菅義偉官房長官が記者会見で16人のメンバーとともに発表したものです。有識者会議の使命は、安倍晋三首相の「70年談話」を出すために報告書を提出してもらうというものでした。報告書は8月6日に提出され、新聞社によっては全文を掲載したところもあります。以下はその抜粋です。
「こうして日本は、満州事変以後、大陸への侵略(注1)を拡大し、第1次大戦後の民族自決、戦争違法化、民主化、経済的発展主義という流れから逸脱して、世界の大勢を見失い、無謀な戦争でアジアを中心とする諸国に多くの被害を与えた。特に中国では広範な地域で多数の犠牲者を出すことになった。また、軍部は兵士を最小限度の補給も武器もなしに戦場に送り出したうえ、捕虜にとられることを許さず、死に至らしめたことも少なくなかった。広島・長崎・東京大空襲ばかりではなく、日本全国の多数の都市が焼夷(しょうい)弾による空襲で焼け野原と化した。特に、沖縄は、全住民の3分の1が死亡するという凄惨(せいさん)な戦場となった。植民地についても、民族自決の大勢に逆行し、特に1930年代後半から、植民地支配が過酷化した。
1930年代以後の日本の政府、軍の指導者の責任は誠に重いと言わざるを得ない。
なお、日本の1930年代から1945年にかけての戦争の結果、多くのアジアの国々が独立した。多くの意思決定は、自存自衛の名の下に行われた(もちろん、その自存自衛の内容、方向は間違っていた。)のであって、アジア解放のために、決断をしたことはほとんどない。アジア解放のために戦った人はもちろんいたし、結果としてアジアにおける植民地の独立は進んだが、国策として日本がアジア解放のために戦ったと主張することは正確ではない。」
ここで示された認識には、ぼくのもっている認識とは違う面もありますが、侵略戦争と植民地支配という点においては、認識を共有するものです。また植民地支配が「1930年代後半から、過酷化した」というのも認識を共有できますし、「日本がアジア解放のために戦ったと主張することは正確ではない」という認識も共有できます。
報告書が安倍首相の「70年談話」の基礎に座っていることは明らかです。ただし、発表された談話には、侵略戦争という認識も植民地支配という認識も、外されていましたが。首相は、自分の言葉では語りませんでしたし、侵略戦争かどうかは歴史家が判断すると言いましたが、他方で村山談話を引き継ぐと言ったので、侵略戦争と職員地支配という事実は、安倍政権のブレーンの方々にも共通するものだったということです。
上記に示されたことは、事実によって裏付けされているものであって、否定しようがない歴史だということです。この認識を翻そうとするのは、歴史修正主義だと言われても仕方がありません。
ディスカッション
コメント一覧
敗戦国であるが故に戦勝国に押し付けられた歴史観を
いまだに信じる日本人は本当に多いです。
イギリスBBCの調査でも明らかですが、
【自国での自国への評価が、他の評価実施国によるその国への評価に比べて著しく低い国】
それが日本なのです。
他国からの評価は極めて高いが日本人の日本の評価は極めて低いです。
世界に類を見ない自虐的な歴史観により、
戦後左翼教育、マスコミ報道の成果として
自国に自信を持てない日本人を量産しました。
結果として毎年3万人以上もの自殺者を生む国となっているんです。
日本という国に誇りを持てない、祖先に対して敬う気持ちが持てない、
自分自身にも自信が持てない。
それらを助長しているのが共産党を初めとするあなたがた左翼なのです。
安倍政権ですらアメリカに従属する限り自虐的歴史観を受け入れざるを得ません。
GHQのウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(War Guilt Information Program)
戦争した罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝が現在でも機能しているのです。
東芝さんへの洗脳は解ける事はないのでしょうか?
けんけんさんが、全て書いてくれましたw
今回の談話は、あくまで外交と経済を考えての「踏襲」にすぎません。
「主語を明確に」しなかった点、「反省や謝罪」を未来に持ち越さないと明記した点は
過去のトンデモ談話を少しずつでも修正していこうとの
安部首相の苦肉の策ですねw
まあ、談話なんてどうでもいいことで、日本が過去の戦争をいつまでも謝り続ける訳ではない。
それとドイツの日本のとでは同じ敗戦国だけど、内容が違いすぎる。同列にはならない。
朝鮮は日本が併合しなければ、ソ連が併合していたでしょう。また中国はどうなっていたかわからない内乱状態でしょう。
確かに、負けたので日本が悪いことのなってるけど、ソ連の方が悪魔のようなことやってるし、イギリスやフランスも植民地を多く持っていた。
戦争に負けたから侵略で、勝っていれば侵略ではありません。歴史は勝者の歴史です。
それと・・歴史にもしはないけど、もし日本が敗戦時アメリカより先にソ連に制圧されていたら、日本は共産主義国になっていた。そうなると日本共産党が政権でしょう。・・・いや~その点はアメリカに感謝しなければいけない。
その悔しさで、日本共産党は日本の悪口を言うだけなのですよ。
東芝さんは、日露戦争ですら帝国主義の侵略戦争だ!
なんて言い出してますからね。
そこまで盲目的とは思いませんでした。
そりゃー話が噛み合わないわww
意見がかなり違うことが確認されました。
一言だけ書いておきます。
安倍さんのブレーンの方々が有識者会議の見解としてまとめた文書は、安倍さんと思想的に近い人々であっても、第2次世界大戦における日本の戦争は、侵略戦争であり、植民地支配も過酷なものになったこと、戦争の全体はアジア解放の戦争ではなかったことを認めざるを得なかったというものでした。
作成期間は半年間。事実を示す文書に当たられて書かれた文書だと思います。このような文書を翻すためには、事実の提示が必要です。
人間の認識は、自分の脳というフィルターを通じて得られるものだから極めて主権的なものです。この主観的認識をあらためるためには、客観的だと思われる事実や資料が必要です。これらの資料も人間の主観によって集められたものですから、多角的な検証が必要ですが、多角的に検証していけば、事実を人間は把握できます。歴史も自然科学も同じです。第2次世界大戦時の資料は、すでに膨大なものが公表されています。この研究の結果、日本の戦争は侵略戦争だったということです。
大事なのは、事実の前に謙虚であるということです。ぼくは、この態度を議員の活動の中で大切にしてきました。一般質問を準備するときの基本の1つは、ここにあります。質問を準備するときの問題意識と準備を終え質問するときの問題意識は大きく違う場合が多々あります。調査の中で得た事実を示す資料によって、認識が変わったということです。認識が変わっていくときに快感があります。
残念ながら「侵略戦争でなかった」という方々の言い分には、説得力を感じませんでした。もちろん、ブログの中でのコメントですからお互いに生の資料を提示して、やり取るするということにはなりません。しかし、論理を展開するときは、具体的な事実を踏まえて文章を書くという態度が必要です。
ぼくの文章が十分なものだとは思いませんが、具体的に事実を示しながら書いたつもりです。
ぼくが書いたような姿勢が感じられなかったのは残念でした。
国民主権と基本的人権がなかった時代をどう考えているのかを問いかけたつもりですが、このことに対し言及する方がいなかったのもひとつの特徴でした。
ワタナベさん、東芝さんが悪いのじゃなく、日本共産党が悪いのよ。歴史的認識が間違っている。そもそも日本という国がどんな歴史を持つかすら正しく認識していない。
僕も何度も論戦したけど、話がかみ合わないのよ。・・・歴史の流れを日本共産党は無視してる。
この東芝さんの反論も意味不明なのよ。文章はまとまっているけど、何が言いたいのか分からないのよ。
思想的問題です。
開戦当時から日本は欧米列強からのアジア解放を謳っていました。
終戦までに日本はビルマ、フィリピン、ラオス、カンボジアを独立させました。
事実、有言実行であったという事です。
当時アメリカやイギリスやフランスやオランダなど
自分たちの植民地が独立することなど考えてもいませんでした。
白人国家の植民地政策は
徹底した搾取と人種差別と愚民化政策であり
宗主国に対し絶対に逆らえない状況を作り上げていました。
東芝さんは欧米列強(戦勝国)のアジアの植民地化は
たいした侵略ではなかったと思ってますよね。
一方敗戦国の日本はどうしようもない侵略国家だったという論理は
どういう論拠なのか?
なぜ敗戦国の日本だけが侵略なのか?
なぜ日本はアジアの欧米列強の植民地を独立させようとしていたのか?
侵略と植民地化が目的なら、植民地を独立させる必要なんてありません。
徹底的に搾取と愚民化政策をすればいい訳ですから・・・
東芝さんはなぜ
70年も前の戦争の負の部分だけをことさら強調するのか?
教えて頂けないでしょうか。
けんけんさん。有識者の報告書の引用だけでもお読みください。まずは、この有識者の報告書(安倍さんのブレーンの方々です)だけでもお読みください。
それと
面倒だと思いますが、ぼくが書いた最近のコメントに答えがあります。お読みいただければ幸いです。先進国の植民地と日本の戦争についても言及しています。よろしくお願いします。
東芝さん
少し話を整理させてください。
私は、自民や安部首相自体を信奉している訳ではありません。
話の論点は、日本が過去に行った戦争が「侵略かどうか」についてコメントしている訳です。
なので私の主張と安部首相の主張に整合の必要性が無い事をまず、理解いただきたいです。
その上で、
>事実の提示が必要です。
日露戦争においては、ウラジオストックに兵力を集めバルチック艦隊を西から大移動してきて
「さあ、攻めるぞー」とワンサカ兵隊が集まってきた事が「事実」です。
ウラジオストックの名前の由来が=「東方を支配する町」から来ている事でも明白ですね?
日清戦争も韓国併合もすべてロシアからの攻撃をできるだけ本土より離れた所に
前線を築くために他ありません。・・・・自衛なんですよ。
第2次大戦も、そのような自衛戦争に対し欧米からの「ハルノート」「石油の禁輸措置」という
いわば生活が立ち行かない状況を作られ国家存亡を賭して行った戦争であります。
以上が客観的な「史実」です。
>大事なのは、事実の前に謙虚であるということです。
これを言ったらお終いですね。
事実と観念的なものを混同しては真実は見えてきません。
>東芝さんは欧米列強(戦勝国)のアジアの植民地化は
たいした侵略ではなかったと思ってますよね。
一方敗戦国の日本はどうしようもない侵略国家だったという論理は
どういう論拠なのか?
なぜ敗戦国の日本だけが侵略なのか?
けんけんさんの仰るとおりです。
東芝さん(共産党)の主張は理論破綻していると思えます。
まだ、田嶋 陽子さんのような無茶苦茶フェミニストの方が許せますねww
ワタナベさんへ。
この議論をもう終わろうと思っていたのですが、もう少し話が続きそうなので、少しだけ書いてみます。
日清戦争と日露戦争は、明治以降日本が朝鮮半島を植民地にする戦略の下で行った戦争です。日清戦争は、朝鮮半島を清国から独立させることを名目とした日本と清国間の戦争でしたが、日本の真の目的は朝鮮の植民地化にありました。日本の影響力を抑えたい朝鮮はロシアに接近します。ロシアは南下政策の下で、朝鮮と満州を植民地にしたいという思惑をもっていました。
中国で義和団事件が起こったときにロシアは軍隊を満州に派遣しましたが、事件終結後も撤退しせず増強さえ行い、満州を占領状態におきました。戦争の出発は、日本軍による遼東半島のロシア租借地である旅順軍港への奇襲攻撃(1904年12月8日)です。日本による宣戦布告は12月10日でした。
日露戦争は、ロシアと日本による朝鮮半島や満州に対する権益をめぐる帝国主義国同士の侵略戦争でした。この戦争で一番の被害を受けたのは朝鮮の人々です。
自衛のための戦争というのは、自分の国が攻められたことを受けて反撃する戦争です。他国の領土を舞台に戦争を行う、その結果朝鮮を植民地にするような戦争を、自衛のための戦争だとはいいません。
日清戦争と日露戦争をどう評価しているか、は歴史家の中でも意見がわかれていそうですが、大勢を占めている評価は、朝鮮半島を主戦場にした、朝鮮を植民地にする目的をもって行われた朝鮮に対する植民地化戦争だったということだと思います。事実経過として1910年、日本は韓国併合を実現しています。日露戦争は、ロシアとだけ戦争したのではなくて、朝鮮半島においては朝鮮人民の非常に強い抵抗にあいました。これらの抵抗を徹底的に武力で鎮圧するという戦争が同時に行われたということです。
少し余談ですが、戦争というのは、国と国との戦いだというのは、非常にせまい見方です。民族対国、テロ集団対国家、民族対武将組織というさまざまな形があります。国と国との戦い=戦争だとするとアメリカの南北戦争は、戦争という名前で呼べません。
満州事変から太平洋戦争の終結に至る戦争は、歴史学者の大勢が日本による侵略戦争だったと評価しているものです。ぼくもこれらの方々と同じ評価の上で議論しているということです。安倍政権のブレーンの方々からなる有識者の報告書を引用したのは、安倍政権のブレーンでさえ侵略戦争と言わざるを得なかったという事実を示したということです。
事実を下に研究されている方々の研究成果を尊重して書いたまでのことです。
「東芝さんは欧米列強(戦勝国)のアジアの植民地化はたいした侵略ではなかったと思ってますよね」
こんなことは思っていません。この一文は、けんけんさんが書いたものだと思います。第2次世界大戦のときの連合国は、領土不拡大とファシズムを許さないという戦いとして立ち上がったものです。したがって、第1次世界大戦以前に根拠をもつ植民地の問題については、不問にふされました。植民地主義が解決していったのは第2次世界大戦後の話です。第2次世界大戦は、ドイツとイタリアと日本が、世界の再分割を目指して侵略戦争に売って出たのに対し、それに反撃する形で連合国が形成され戦われた戦争です。第一次世界大戦は、戦争を行った双方による領土拡大のための戦争でした。しかし、第2次世界大戦は、領土の奪い合いの戦争ではなかったということです(それでも若干の領土問題はサンフランシスコ平和条約の過程で起こりましたが)。
東芝さん
私もこれを最後にしますが、他のコメンテーターの言っておられた事を理解しました。
やはり、東芝さんの考えは「日本が悪い前提」として積み上げた「結果」ありきだと言うことですね。
>日露戦争は、明治以降日本が朝鮮半島を植民地にする戦略の下で行った戦争です。
どこに視点を当てるかによって言い分は違ってきます。
ロシアの南下政策を本土ではなく朝鮮半島に持ってくる為の「自衛戦争」でした。
結果的に朝鮮を占領した事は、現地の方々に苦痛を伴わせた事は事実ですが、
当時のロシアの南下政策で日本国内が同じように侵略されない為に行った国防の戦いです。
今の法律や一般的な感情では「侵略」はいけないことでありますが、
当時はパワーゲームでの陣地取りであったことは事実です。
>戦争の出発は、日本軍による遼東半島のロシア租借地である
旅順軍港への奇襲攻撃(1904年12月8日)です。日本による宣戦布告は12月10日でした。
バリチック艦隊が南下政策により西から東に不凍港であるウラジオストックに目指し
やってきている状態で重要拠点である旅順をバルチック艦隊が来る前に占領しなければ
ならない状況が「宣戦布告」となったまでです。
旅順を陥落できずラジオストックに入港されれば3倍の海軍力を持つバルチック艦隊が
日本海を越えて直ぐに日本本土を攻撃してくる。そうなれば日本は直ぐにでも占領されてしまう。
このような状況で国家予算6年分を使い3倍の兵力のロシアに立ち向かったのが
日露戦争の真実です。
それを
>帝国主義同士の侵略戦争であった
などと本気で思っていられる・・・というか思い込もうとしているのか。
驚愕しています。
ウラジオストックへの入港→×
旅順軍港への入港→○
訂正します。