焼き物の話を聞かせていただいた
今日は春のような陽気の中にあった。温かい。手袋が必要なかった。集金に行ってもちっとも寒くなかった。寒さを感じたのは夕方、日が落ちてからだった。
Oさん宅に集金で訪問すると、陶芸教室の最中だった。今年は申年なので見猿、聞か猿、言わ猿の焼き物と見る猿、言う猿、聞く猿の焼き物を作っていた。男の人は、灯りを入れる丸い焼き物を作り、模様に五線譜を描き込んで『チューリップ』の音符に合わせて穴を空けていた。この穴から光が漏れるという仕組みだった。アイデアが素敵だった。
素焼きの温度は800度程度らしい。酸素を多く送ると酸化鉄になり酸素を少なくすると還元鉄になって、焼き色が変わってくるようだ。まず水分を飛ばすために素焼きにする。工房の中には素焼きしたお猿さんもあった。焼き物の色は、粘土の中に入っている金属によって決まるらしい。使っている粘土は信楽のものだった。かつらぎ町の粘土は、焼き物に適していないらしく高温で焼くと溶岩のように溶けてしまうという。「瓦ぐらいなら作れる」のだという。溶けてしまった粘土も見せてもらった。
釜で燃焼温度を上げていくと薪が完全に燃えて灰がほとんど出なくなるという。太い薪を2分ないし3分という間隔でどんどんくべていくと1200度以上の温度になるようだ。このような作業を24時間ぶっ続けにおこなうのだという。
有田焼のことについても聞いてみた。磁器という部類の焼き物は、陶器とはかなり性質が違うようだ。粘土にガラス質のものが多く含まれているので、非常に薄い器を作ることができる。叩くと金属質の音が出る。調べてみると陶器よりも磁器の方が硬い。1250度と1300度という温度は全く違うらしい。どのように違うのかは実際に見ないとよく分からないが、磁器は1300度で焼くようだ。ウキペディアには「粘土質物や石英、長石→陶土を原料として1300℃程度で焼成する」と書いている。石英や長石がとけてガラス化するようだ。磁器もまず700度ぐらいで素焼きにして水分を飛ばし、その段階で釉薬を塗る。釉薬は灰などで作られるようだが、これもガラス化するのだという。1300度で燃焼させる。この段階で絵付けを行い、さらに800度で再燃焼させて絵を定着させるようだ。
焼き物というのは、すごく奥が深そうだ。陶器にしても磁器にしても、日常生活の中でものすごく長い生命力をもって使用される。普通の家庭でも10年、20年、30年とほとんど変わらない姿のまま使用している食器がたくさんある。劣化しないという点では、奇跡のようなものが焼き物だと思われる。
赤旗の集金はあと10軒程度になった。明日、昼からもう少し集金に行く。
午後7時から伊都農民組合の総会があり、来賓として出席させていただき、あいさつさせてもらった。