Sierra、インストール

出来事

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MacOSXの最新バージョンは10.12、名前はSierra(シエラ)。ノコギリのような山の名前だそうだ。このOSをインストールするために、壊れてしまったTimemachine(Macのバックアップシステム)の復旧めざして何日もMacを付けっぱなしにしていた。スリープもハードディスクへの待避も全てOFFにしてひたすらバックアップを作成した。その間、Macは明るい光を放って点きっぱなし。少なくとも5日×3回ほどTimemachine作成に失敗した。毎日TimeMachineをさわることができる訳ではないので、ここ1ヵ月間は、断続的にTimeMachineへのバックアップを試していたことになる。そうこうしているうちにSierraに対応した各会社のプリンタードライバーの更新が完了し、インストールしても何の障害もなしに新しいOSで仕事ができるようになった。こうなると早くインストールしてみたいという気持ちになる。

Timemachineの作成ができなまま、OSのインストールを行い失敗したら17数年間蓄積しているデータが吹っ飛んでしまう。こういうのをジレンマというのだろう。更新できないのにしびれが切れてきたので、別の方法を思いついた。そう写真と音楽と書類のファイルを別の場所に保存して、インストールすればいい。写真の枚数は1万1000枚を超えているようだ。びっくり。娘が誕生する前からの写真がマックに入っている。

写真の保存は、iCloudに、書類データはマイクロソフトのOneDriveに入れることにした。この作業を寝る前に行って、今朝の7時台にSierraのインストールを始めた。すると何ということだろう。30分少しでインストールが全て完了した。今までのOSのメジャーバージョンアップの中で、最も簡単かつ最速のインストールだった。1か月以上、インストールを実行するために行っていたバックアップ作りは何だったんだろう。全く拍子抜けしてしまった。
写真を保存するために400円を出して、iCloudの容量を200ギガに増やすと写真を入れても随分容量が余った。それでoneDriveに入れた全ての書類ファイルをiCloudに格納することにした。Sierraは、この仕組みを活用するとコンピューターの容量を格段に増やす。160ギガ程度の空きスペースが、241ギガの空きスペースに変化した。容量不足で苦しむことはなくなった。新しいOSをインストールしたのにハードディスクの容量が増大したのは嬉しい。

MacにもSiriがやって来た。声も同じ。うまく答えてくれないのも同じ。でも時々役に立つ。新しいフォントもいくつか増えているようだ。iPhoneとの親和性がより一層高まっているらしい。使っていけば、さらにいろんなことが分かるだろう。

何度も書いてきたが、もう一度書いておこう。
Appleは、パソコンから派生したiPodとiPad、iPhone、Apple Watchを作ってきた。これが今Macに簡単につながるようになっている。iPhoneを使っている人は全世界に広がっているが、MacとiPadとiPhoneなどを一緒に使っている人はそんなに多くないだろう。iPhoneだけを使っている人には、想像もつかないだろうが、Macを使いiPhoneを使っている人は、Macの環境が何の操作もなしにiPhoneに反映することを深く感じ始めている。iCloudで写真を全部管理するようになるとMacとiPhoneの写真が全て同期されてiPhoneでも1万1000枚以上の写真が見られるようになった。しかもiPhoneのデバイスとしてのデータ容量は減らなくなった。音楽はかなり以前から完全に同期するようになり、カレンダーによるスケジュール管理もメモも同期するのでメモをiPhoneでとることも多くなった。メッセージもLINEもMacを操作中はMacでおこなうし、電話もMacで出る。今回のOSからは、Macで電話をかけることができるようにもなった。
iCloudは、アップルのソフトに対して、複数の人間による管理を簡単に実現し、作業中のファイルにアクセスすることによって、1つのファイルを同時に管理し、作成できるようにもした。ヨーロッパに在住している人と日本に在住している人が、プレゼンの資料を共同で作成することができるということだ。遠距離恋愛も、MacもしくはiPhoneがあれば、地球のどこにいても無料電話ができる。
「Macをデジタルハブにする」
スティーブ・ジョブズがAppleに戻ってきたときに、こういう構想を打ち出したが、まさに今、MacはiPhoneなどのデバイスと深くつながって、どこにいてもiPhoneさえあれば自分のMacにつながるというような状況を作りつつある。Appleは、パソコンと携帯電話とを両方作り、新しいバージョンにOSをupdateするたびに製品同士の連携を深めている。
「我々は、ハードとともにソフトを作る会社だ」
と宣言して、互換機戦略に完全に終止符を打って、アップルの製品を作り上げて行くという構想を打ち出したときに、マック関連の雑誌たちは、嘆きもし懐疑的な感想をも漏らしていた。しかしこの戦略は、10年以上が経って極めて鮮明な姿を人々の目の前に提示するようになってきた。Appleは、革命を起こした。世界を変えた。テクノロジーが人々の生活を変えるとき、哲学はその後からのろのろついてくる。

明治も40年経つと江戸時代を完全に脱して、帝国主義として韓国を併合するような野蛮な侵略を成し遂げたが、ぼくが高校を卒業してから38年、この年月が経過したことによって、その当時では考えられなかったことが、自分たちの生活の足元で実現している。
立ち遅れた哲学は、ものすごいスピードで暴走するテクノロジーに対して、答えを出さなければならない。この使命は大きい。


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出来事OS

Posted by 東芝 弘明