ジャーナリズムとは?

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権力を握った政治家は、国民の知らないところで何らかの利権に関わり、悪いことをしているのではないか、と思っている方が多いと思う。こう言う思いは、疑獄事件や疑惑事件があとを絶たないところから起こってくる普通の感覚ではないだろうか。
こういう政治家に対して、マスコミが批判的な精神を発揮して、権力を関すすべきだと思っている国民も多いだろう。
経済には、利害関係の衝突が含まれている。経済の動きを基礎にして政治がある。政治は経済の動きと切り離せないし、経済的な利害の対立と衝突は政治に色濃く反映する。
ところで、日本国憲法は、国民主権を宣言している。圧倒的多数の国民の視点とは何か。
このことを論じるためには、国民がどのような階級(階層)に分布しているのかを知る必要があるだろう。
これを把握すれば、国民多数の利益を守るという視点がある程度明確になる。日本の場合、圧倒的多数の人々は、労働者、農民、中小商工業者、中小企業家、弁護士や医者などの方々などである。中でも労働者の比率は非常に高い。
政治を見るときに、これらの人々の意思が国会に反映しているのかどうか、これらの人々の主権を守る観点で政治が動いているのかどうか、という視点がきわめて大事だろう。
日本の場合、客観報道ということがいわれ、事実を多面的に報道するということが重要視される。しかし、客観報道というものは、実は極めてあいまいだし、この言葉はたえず自己矛盾を抱え込まざるを得ない。
そもそも、本当は客観的な視点というものはない。
人間は、脳を通じて物事を認識する。人間は個人の主観を通して物事を認識するのであるから、主観的であることからは逃れられない。主観のかたまりである人間の認識を客観的なものに近づけるためには、多面的な視点でものごとを全体的に見る努力が必要になる。この努力を通じてはじめて人間の認識は客観的なものに近づいていく。
多面的な視点で物事をとらえることと、多面的な視点で報道記事を組むこととは大きく違う。客観報道というのは、論点の分かれる問題については、多面的な視点で両論を紹介するというものだ。両論が紹介された記事を見て、読者はどちらが正しいかを判断する。これはただし、かなり分かりづらい。
客観報道とジャーナリスト精神とはかなり食い違う。ジャーナリスト精神の方は、国民主権の立場に立って、政治と権力を監視し、国民主権を守って報道するということに近いように思う。こういう報道姿勢にたてば、そこには事実に対する判断が必要になってくる。
現在、日本のマスコミに求められているのは、ジャーナリスト精神だと思われる。
客観報道でいえば、TPPと法人税減税、消費税増税をどのように伝えたらいいだろうか。事実を徹底的に追求していけば、客観報道であってもこれらの物事の本質にかなり接近できるだろう。しかし、事実の徹底的な追求という視点だけでは、なかなか本質には迫りにくいのではないだろうか。
国民主権を守る立場に立ち、経済の利害関係、利害関係の政治への反映などへの自覚をもち、権力への批判精神に支えられて、事実を追求していけば、TPPや法人税減税、消費税増税の姿が鮮明になると思われる。このようなジャーナリズム精神を身につけて、対象に迫っていく努力を求めたい。
今のマスコミは、テレビも新聞も時の政府の方針をほとんど無批判に流している。そこには批判的な精神の欠乏が見られる。政治家が権力を握れば、自らの経済的な利害や政治的利害を追求し、さまざまな問題を起こしてきたことをマスコミは知っている。こういう利害に染まっている方々が、打ちだしてくる政府方針は、当然、何らかの勢力の政治的経済的な利害を表していると考えるのが普通だろう。
利権をあさってきた政治家が、国の方針を決めるときには、全くの聖人君子になって、世のため、人のために尽くすとでも思っているのだろうか。
政治家個人の金権腐敗の問題については、若干追求するのに、国の経済政策や政治的な方針については、ほとんど無批判に政府と同じことを語るマスコミというのはいったいなんだろうか。
批判的精神は、ゴミ箱の中に埋もれている。
「果たして政府の語っていることは本当なのかどうか」
批判的精神を失ったマスコミが、大洪水のように政府の方針を伝えている。
法人税減税と消費税増税は必要。TTP賛成。雪崩のような大合唱だ。
マスコミが、批判的な精神を見失っている今日、国民の視点にたったジャーナリズムの存在がどうしても必要になる。
「しんぶん赤旗」は、ジャーナリスト精神をもち、国民の立場に立って事実を深く追求している。日本共産党という1政党の発行する機関紙が、国民の知る権利に応え、報道されない重要な事実をを伝えている。
赤旗しか伝えない事実は多い。4大紙と赤旗新聞を読むことで、ようやく国民は複眼的な視点を手に入れることができる。赤旗なしに日本の本当の姿を見いだすことは難しい。日本は、いま、こういうふうにいわざるを得ない現実にどっぷり漬かっている。


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Posted by 東芝 弘明