足湯、日高にオープン 2005年8月26日(木)

かつらぎ・発見伝

朝10時から美嶋荘で「ええやんかよむら」の産地直売所と峠の足湯のオープン式典があった。
物産販売店と足湯の施設は、美嶋荘が50%出資、地元の運営委員会が50%を出資して作った施設だ。足湯は、美嶋荘でわき出ている天然温泉を使っている。
美嶋荘は、ちょうど日高から志賀に行く峠に作られているので、道から足湯の場所がよく見えるし、足湯の場所から480号線の景色がよく見える。
なかなか風情がある。利用料は100円ということらしい。
高野山や天野の丹生都姫神社が世界遺産に登録された。「紀伊山地の霊場と参詣道」というかなり広いエリアが世界遺産に登録されたが、現在の参詣道のメイン道路は次第にこの480号線になりつつある。
議員や町長に招待状が届き、セレモニーが終わった後で足湯をさっそく味わうこととなった。
掘割のようになっているところに湯がはられており、真新しい木の床に腰掛けて足を漬ける。足首から膝までの間のちょうど半分ぐらいが湯につかる。
岩出町からこのオープニングのためにやってきた大学1年生の新子君という方がマジックを披露してくれた。20分ぐらいの間、足を漬けていると体全体がホコホコと温もってくる。
人目を引くこの施設は、高野山から下りてきた人々に人気を呼ぶかもしれない。地元の運営委員会は、最初から大きなことを考えないで、自分たちが出資できる範囲でこの事業を計画した。どれだけの時間が議論についやされたことだろう。地元の地に足のついた努力に拍手を送りたい。
480号線は、多くの物産販売店でにぎわいつつある。ぼくの持論は、中途半端な物産販売店は、競争と競合を生み出してしまうが、物産銀座のようになってくると逆ににぎやかさが人の注目と集客力を発揮し始めて人気を呼ぶだろうというものだ。四郷にトンネルが抜け、阪和自動車道とのアクセスが簡単になれば、高野山から龍神に至るひとつの観光ルートが完成する。四郷のトンネル開通が高野山へのルートを劇的に変革してしまうインパクトをもつと思われる。
これは単に広い道ができたら車が多く通るようになり、発展するというような単純なものではない。道路開発が観光に力を発揮するためには、観光名所や魅力的な地域が必要なのだ。面白いのは、高野龍神スカイラインというものすごく高かった有料道路が無料になったことによって、明らかに車の流れが増えた。このスカイラインの無料化は高野山が通過点になるというマイナス面も生み出したが、かつらぎ町にも多くの恩恵をもたらし始めている。
現在の局面は、道路の改良と地元の努力が集客力を高めるという相乗効果的な状態になりつつあるということだろう。
地元でできることを見つめ、現実可能なところから成功の上に成功を積み重ねるようにして発展をめざすというとりくみが重要だと思う。この相乗効果を利用して、そろそろ、かつらぎ町そのものをブランドとして売ることを考える必要がある。かつらぎ町に来てもらって、かつらぎ町という名前と親しみのわくロゴマークを商品にくっつけて売るということだ。
物産販売は、かつらぎ町の現地で販売し、かつらぎ町のイメージを売ることと直結している。商品を売るたびにかつらぎ町のイメージを売るということだ。
加工商品でヒットが生まれるかもしれないが、加工だけに頼る必要はない。品質のよいフルーツをかつらぎ町のイメージとして売ることだ。それには洗練された工夫がいる。
日本の商品の中には、ものすごく息の長い商品がある。カルビーのかっぱえびせん、大塚のボンカレー、カップヌードル、サランラップ、永谷園のお茶漬けと松茸のお吸い物、キッコーマンの醤油差し入り醤油、グリコのキャラメル、チョコボール、ミツカンの味ぽんなどなど。
地域ブランドでは伊勢の赤福餅。上げればきりがない。
基本は変わらないし、変えないことがブランドなのだ。そういう物をパッケージを含めて作る必要がある。人間と同じように誕生させるときには、考え抜いて名前とスタイルを決める必要がある。
日本共産党のかつらぎ町議団は、御所のブドウや道の駅のとりくみについてフィールド調査をおこなって成功の秘訣を分析すべきだと提案している。分析は大学の力を借りるべきだといっている。行政が大学の研究機関とともにいっしょに汗をかいて、成功の要因をきちんと把握すべきだということである。内発的な活性化は、地域がもっている良さを見直し、その発展の芽を伸ばすところから始まる。
地域住民の所得の向上が地域の活性化の鍵を握っている。行政はいかにして地域住民の所得の向上に寄与する援助をおこなうかだ。
確実に変化は起こりつつある。この変化をどうやって産業の発展へとつなげていくか。後継者の育成は産業の発展なしには生まれない。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

かつらぎ・発見伝

Posted by 東芝 弘明