中秋の名月に 2005年9月18日(日)

出来事

朝5時30分過ぎに起きて「しんぶん赤旗」配達へ。2日前からトレーナーを着て配達するようにした。これで気温はちょうどいい。急速に秋めいてきた。昨日Blogに書いた彼岸花も少し色あせてきて、花の外側が白っぽくなっているのが目立つ。まだつぼみ状態の花もあるので、彼岸が終わるまで入れ替わるように咲き続けるのだろう。
朝の感じが好きである。空気が澄んでいるように感じ、風が心地よい。
いい季節になってきた。今日は中秋の名月だというから、家族3人で月でも見上げて見よう。
かつらぎ町の一番端に新城という在所がある。世帯数70ぐらいの、長さ4キロの小さな村だ。西日本の山村留学の発祥の地なので知っている方もいるだろう。
村の真ん中を貴志川が流れ、その両側に民家が点在している。貴志川に沿って国道が走っている。南の山と北の山が迫っているので、空間はそんなに広くない。谷間に民家が点在しているような感じである。
ぼくの家はこの新城のちょうど真ん中当たりにあった。田んぼの中の1軒屋で、山と川と綺麗な空気の中で生活していた。
新城小学校で過ごした子ども時代。まだ道路事情が悪かったので、担任の男先生はよく下宿先に泊まり込んでいた。秋になると学校の2階の図書室の前に望遠鏡を備え付けて、綺麗な満月を覗いていた。
学校から歩いて5分ほどのところに家があった。母親も小学校の先生だったので、男先生が、望遠鏡で月を見たりする夜は、ぼくたちも学校に行って望遠鏡を覗かせてもらったりしていた。
「月にはウサギさんがいてお餅をついている」
月の模様がウサギに見えるところからそういわれていたが、新城の空に見えた月は、もやにかすむことなく綺麗に見えた。
「ほら、あそこにウサギさんがいてるやろ」
母がぼくたち子どもに指さして語ってくれたりした。
「望遠鏡で見た月にもウサギが見えるかも知れない」
そう思って覗いた望遠鏡には、月のまったく違う顔があった。
望遠鏡で見た月には、クレーターが確認できた。ウサギに見えていたのは、太陽の光を反射した影だった。
1969年にアポロ11号が月面に着陸し、翌年の万国博覧会で月の石が展示されていた頃なので、月に対する関心もかなり高かった頃のことである(インターネットで検索すると月面着陸の当時の写真や映像がスタジオや地球上の砂漠で撮られたものだったという話がいっぱい出てきた。これ自体は面白い話だが、興奮してあの映像をリアルタイムで見た世代としては、なんだか悲しく寂しい)。
笠田の街でさえ、地上から出ている光の多さによって月や星が綺麗に見えない。新城で暮らしていた頃は、月も星もくっきり見えた。天の川も帯のように見えていた。星降る夜という世界を感じられなくなって久しい。一度、時間を見つけて娘を星が綺麗に見える美里天文台まで連れて行ってあげたい。
地球が星に包まれて存在していることを実感することは、意義深いことだと思う。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

出来事

Posted by 東芝 弘明