自由討議のおもしろさ

雑感

暖かかったのでベストは付けないで背広を着た。9時から議会運営委員会が始まる。手にはApple Watchがある。あと2分、あと1分となるまで寅のイラストのデジタル時計を見て、1分を切るとアナログ時計に切り替え、ジャスト9時になると立ち上がって、会議の始まりを宣言する。時間を待つ間、参加者はほとんど物をしゃべらない。沈黙の時間。しゃべりはじめたら、時間前に止めなければならない。これが難しいのでみんな黙って時間を待つ。

12月議会の議案説明とやり取りがあったあと休憩をした。その後、議会基本条例の見直し議論を開始した。今回は前文案の再提出とその吟味だった。意見の違いがあるなか、論点を鮮明にして、それに対して発言をしていただいた。日本人は、違う意見に対して異論を発して一緒に考えるというのは苦手。他人の発言に対し遠慮がある。激しく自己主張する人がいると余計に難しい。
今日は持論を激しく主張する人はいなかったが、意見が割れたので時間がかかった。しかし、そうなっても歩み寄る道はある。
参加者が意見を出して、多くの人と自分の意見との違いが出てくると考え直しが始まる。面白いのは、発言した人の発言の意味を、もう一段深く聞くと発言の真意が立体的に見えてくることが多いということだ。深い議論になってくると、対立していたように見えても、そんなに発言に距離があるものだったことも多い。

もう一段深いところで発言してもらうために、今日は緩やかに質問してみた。
「これはこういうことですか」という感じに。
そうすると、違う角度からの説明が始まった。時間はかかったが、文言の修正も含め、前文案に対して意見の一致に到達した。集団で行きつ戻りつしながら意見の一致に達すると、集団の中に達成感や満足感が出てくる。今回は7人の人の脳みそを融合させて一致点に達した。このプロセスの中で、それぞれの人の深い考え方も見えてくる。こういう会議が楽しい。

今日の改正の文書の中に自由討議の規定があった。「自由討議がよく分からない」という意見が出た。「かつらぎ町議会は、かなり委員会では自由討議を実際にしています。今日の(基本条例の見直しの)議論がまさに自由討議です」という話の中で、自由討議のイメージが一気に身近になった。議員間の協議、意見交換。これが議会の議論の仕組みの中にない。議員間で意見交換をしようと思ったら、自由討議を組み込む必要があるという点も議論していると理解が深まった。

本会議場における自由討議の在り方は、なかなか難しいと感じる。誰も本会議場で自由討議をしたことがないので、こちらの方はイメージが湧きにくい。こっちの方は、議員発議か議長の職権で質疑のあと、自由討議に移るというケースを想定している。当局が自由討議の時間、本会議場にいても、当局に対する質疑は起こらないので、退席するケースも多い。ケースによっては町長は傍聴したいということがあるだろう。今日の議論の中では、質疑が白熱したときに、自由討議の必要性が出てくるケースがあるだろうということになっていった。議員の自由討議で、この議案については修正しようとなる場合、予算であれば組み替え動議を出して議決することもあるだろうという話にもなった。ケースによっては、議員間の自由討議によって議案の取り下げが起こることもあるだろうという話になった。

自由討議については、みんなの認識が深まり一致したのが嬉しかった。こういう議論がきちんとなされると、全員協議会に説明したとき、委員長以外の人もふくめ、会議のメンバーが多面的に説明できるようになる。みんなで共通認識を広げながら話を深めるのは気持ちがいい。


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雑感

Posted by 東芝 弘明