ツッコミどころ満載の2つの委員会

雑感

午前中は、長期総合計画調査検討特別委員会。議案になる前の所管事務調査となった。最初に今日の会議が議案になる前の最終の委員会になることを確認した。長期総合計画の諮問に対する答申を行う審議会の方は、最終書面決議で答申を行うことになっていた。そういう状況であることを確認した上で、質疑を行った。素案の方は、審議会による意見聴取や議会の特別委員会の提言を受けて、大きく内容が変更されていた。質疑は、この変更点を踏まえた上でのものになった。

さまざまな指摘と意見が出た。ぼくが求めていた総論部分は、まだ作成されていなかったが、資料編の中に入れるということだった。めざそう値が大きく変わっていたが、その数値がいったいどういう計算式で成り立っているのか、質疑しないと明らかにならないことがいくつもあった。いきなり説明を受けていきなり質疑をしても、指摘が出てくる状態だったので、全体に対して読めば分かるようにしてほしいという要望を行った。議員の質疑を通じて、担当課ともう一度再検討することになったものも多かった。

ツッコミどころ満載の素案だという印象をもった。議案になるまでの間にどれだけいいものとして改善され、出てくるのか心配になるような感じがした。いずれにしても、3月会議に議案として出されてきたときに、委員会付託された長期総合計画案に対し、どういう態度をとるのか、議員全員の姿勢が問われることになる。

午後は、庁舎建設調査検討特別委員会が行われた。当局から基本構想の説明があった。ざっくりとした基本構想なので、明らかになったのは、総合文化会館と防災センター、保健福祉センター、本庁舎、上下水道課の職員を一か所に集めて建物を建てるという方向性が打ち出されたが、どの建物を残して建てるのかということさえ、明らかにはなっていないということだった。
和歌山県発のPPPとPFIによる庁舎建設ということだったが、具体的にどういう手法を採るのかと言うことが全く明らかにはなっていないものだった。PPPとPFI、官民連携で庁舎を建てるときに、かつらぎ町だけでは建設資金が足りないので民間の力をかりる。借りることを通じて庁舎内か敷地内に民間の商業施設等が入るというものだった。具体的には全部、3月に行われる業者委託による計画立案で内容が決まるということだった。

かつらぎ町の庁舎建設の基金(貯金)は、4億3000万円程度。かりに庁舎が30億円だとすれば、10億円程度の自己資金が必要になるが、その自己資金をもっていないので民間資金の活用となる、というのが基本的なスタンスだった。
しかし、こういう大切な基本方向が、役場の職員だけで決まり、多くの施設の職員を一か所に集める庁舎になるという基本的に大切なことが、庁内の職員による検討委員会で方向が打ち出されたというものだった。

住民との間で合意形成も行わずに、重要な論点が全部庁内だけで決まり、肝心の具体的内容は、町と委託された業者による協議で全部決まるというものだった。庁舎に対する必要な資金、建物の建設資金の概要さえまったく審査されておらず、御坊市の場合は1㎡当たりいくらというようなものだけだった。延べ床面積が6000㎡、御坊市の建築費が1㎡当たり68万円ということで計算すれば建物は40億円を超えるということになる。民間の施設が入るという説明は、「にぎわい」を創出するという以上には何もなかった。とにかく「にぎわい」を作りたいという思いだけが宙に浮いていた。

結局、感じたのは、お金がないので民間の力を借りる、民間の力を借りるので大きな建物を構想して、職員を集約するというものになっているということだった。かつらぎ町の庁舎は、一定のゾーンに複合施設が点在する仕組みになっている。この仕組みは、溝端町長の構想を具体化したものだった。施設から施設に行くためには歩く必要があるという点で、連携上の課題は生じている。もし仮に町の資金だけで建てるということになれば、現状を踏まえて、建設する庁舎は最小限となるという選択肢はあったと思われる。資金の心配はいらなくなったので、集約型の大きな建物を建てるという発想になっている。
しかし、こういう基本的な問題、課題は、住民ともよく協議をしながら決めていきべきものだと感じる。今の現状で言えば、選択肢のかなり多い内容に対して、決まっていない段階で議会はGOサインを出すことになり、議決した内容に対し、説明責任さえ果たせない可能性がある。こんなんでいいんだろうかと思わせるような基本構想だった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明