紀の川筋の6市町を比較してみた

雑感

昨日と今日、住民要求集会に提出する資料を作成した。
骨っぽかったのは、各市町の状況を文章化することだった。
橋本市、九度山町、高野町、かつらぎ町、紀の川市、岩出市の6自治体の状況を書くために、各市の長期総合計画を調べたり、人口減少や人口増(岩出市のみ)を調べたりした。
各自治体には、それぞれ特徴がある。産業構造の違いも大きい。市町村合併の影響も深刻になっている。
岩出市以外は、2000年以降、人口が大きく減少しはじめている。構造改革の進展と人口減少はリンクしているように見える。

しかし、調べた中で一番驚いたのは岩出市だった。この街は、人口が急激に増加した結果、コミュニティが十分に形成されていない。人口5万2000人に対し、区や町内会に組織されている人は、1万3500人1万3500戸程度しかなく約4万人6500戸は町内会や自治区に入っていない。
選挙の時に地域に入っていくと、ある団地が集合住宅建設に反対していた。道の向かい側に違う団地があったので、そこでも話を聞くと、「私は団地が違うので運動のことは知らない」という答えが返ってきた。目と鼻の先の距離なのに。

岩出市の長期総合計画を読むと、10年後の目標設定値の多くが、ほとんど現状維持的な小さなものであることに気がついた。区・町内会への組織を増やす目標は1万6000人1万6000戸(現行は1万3522人1万3522戸)になっている(数値の訂正が問い合わせをしていた同僚議員から届きました。岩出市の公式サイトに掲載されている数値が間違っていたようです。お詫びして訂正いたします)。これとは逆に区・町内会数は371から315に統合して減らすことになっている。岩出市の住民ではないので、区・町内会がどのような分布なのかはよく分からないが、区・町内会数を減らしたいということは、各組織の単位には、細かいところがあるということだろう。もしかすると町内会がない地域もあるかも知れない。あっても未加入者が多いのだろう。市内で活動しているボランティアグループは22団体。これを10年後には26団体にするという目標になっている。これは、行政と住民とのコラボレーションが極めて小さいことを意味している。
こうなると自主防災組織の組織率も極めて低くなる。2010年で30組織8,666人あるものを10年間で50組織9500人にするとなっている。この計画では、4万人以上の未組織者が残る。

市の計画が全市民を相手にしたものになっていないということは、何を意味するだろうか。
客観的に見て第3中学校の建設は待ったなしの課題に見える。人口5万2,000人を超えているのに岩出市には2つの中学校しかない。0歳から14歳までの年少人口は9,800人程度ある。2つの中学校の生徒数は1,700人を超えている。岩出市は、第3中学校の建設を頑なに拒んでいる。市民の行政に対する関わり方が弱いので、住民要求にも平気で背を向ける姿勢が顕著になっている。
全市民を相手に行政運営を行うべきだというのが、市に対する要求になるまち、それが岩出市なのかも知れない。


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雑感

Posted by 東芝 弘明