冬への贈り物
秋の気配は空の色から始まる?
それとも空気の色?
夕焼けの空の赤さ?
落葉の季節はまだ少し先
クレーマークレイマーという映画に
落葉を舞い上げて車が走るシーンがあった。
記憶違いでなければ
秋のマンハッタンが黄色に描かれていた
夏の空は青の色が濃くて天井の高さが見えないのに
秋になると
薄い青色になって
ずっと上に天井が張り付く。
吸い込まれそうな青の世界
鳥はどこまで高く飛べるだろう。
長い夜をゆったり過ごすこせば
深い闇に沈んでいくようだ。
本を開く
音楽を聴く
窓の外から月を見る
揺らめく星を見る。
秋は命を燃やして
潔く枯れていく
赤や黄や緑の世界が
緑だけを置き去りにする
空の青と山の赤、神社の黄色
色の移り変わりが胸の中に染みこんでいく
胸一杯に広がったときに
冬が始まる。
記憶の中に折り込まれていく
鮮やかな景色
それは寒い冬への贈り物
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