ビブリオバトル9回大会
お昼は家族でランチに行った。「はま寿司に行こう」という提案が受け入れられていってみると「美味しかった」。「スシロー」に行くことが多いのだが、「はま寿司」はなかなかいいというのが、家族みんなの声だった。
昼からはビブリオバトル大会の中学生の部分を見に行った。今回、初めて見たがもう9回目の大会だった。
ビブリオバトルというのは、自分が読んだ本を5分間で紹介し、3分間の質疑応答を受けて評価されるもの。今回は10人の演者が5人ずつに別れ、会場からどの人の本の紹介が一番良かったかを会場の人の挙手で選ぶというものだった。一人一人審査されるものではない。2組の中で1位に選ばれた人2人に対し決選投票が行われる。これで1位が決まる。
3分間の質疑応答の時間に、ぼくも2つ質問させていただいた。何度も質問するのは遠慮した。エントリーした参加者は、ほぼ5分の時間を使い切って本の紹介をしていた。もちろん、原稿を諳んじてプレゼンしているのだと思う。途中から緊張が高まってるなと思われる子もいた。
最終版にさしかかるとさらに緊張が高まるのはよく分かる。出だしがうまく行っても、制限時間との関係もあって、時間内に終わるプレッシャーは半端ない。ここで記憶していた原稿が飛んだり、言い間違えたり、言いよどんだりすると、緊張はマックスになる。人前の演説をする場合もこういうことが起こる。記憶したとおり、話をしようとすると緊張は高まるが、その場でメモを軸に自由にしゃべることができるようになるのには、年季が必要になる。
でもね。すごい。ぼくが中学生の頃、こういうことをしろと言われても、ほとんどできなかった。
高校時代、生徒会に立候補させられて、900数十人の前で演説しなければならないことになった。生徒会長に立候補させられていたが、同級生が「弘明、替わってくれ」というので、ぼくは会計にまわり、そいつが生徒会長に立候補した。もちろん、原稿を用意して臨んだが、肝心の原稿を忘れてきて、原稿なしに壇上に上がることになった。人数に圧倒された。
「2年F組のひがししばひろあきです。よろしくお願いします」
これが演説の全てだった。真っ赤に赤面して、オドオドして、名前を言うだけで頭が真っ白になった。このような極度の赤面症、極度のあがり症が克服できたのは、最近のことだ。
こういう自分の状況を考えると、今の中学生の子どもたちの頑張りはすごいと思った。
見ていると、みなさんはどう思いますか。という問いかけを何人か行った。うまく状況を見て、話を繫いだ生徒もいたが、そこで戸惑ったような感じの生徒もいた。
問いかけに対して、会場からの反応がないと、余計に難しくなる。どちらだと思いますかと言って、手を上げてもらう方が間を取りやすいかなと思ったが、これを緊張の中で行うのは、かなりの負担だ。いずれにしても問いかけに対して、反応を見る余裕がなければ、逆に話者の側の緊張が高まってしまう。この点で、うまく行っていないなと感じた出演者があった。ほんと緊張とのたたかいは難しい。
3分間の質疑応答は、ぶっつけ本番になる。生徒同士の予定された質疑もあるように感じたが、生徒でない、ぼくのような一般の人からの質問は、何が飛びだしてくるか分からない。これに対してきちんと答えている姿は頼もしかった。ビブリオバトル。一番のテーマは自分とのたたかいだろう。これを日常のクラス運営の中で、1年を通じて取り組み、総合学習の時間で試みるのがいいなとも感じた。どうやったら緊張が解けるのか。そういうことも学びながら、人前で話をする力をつけるのは、いい取り組みだと思う。



