すべての課題を地域おこしの契機に

雑感,出来事

Farm, Bernese Oberland by M_Strasser
岩出市議選の支援に行った後、7時から伊都農民組合の総会があり、来賓として参加させていただいた。伊都農民組合の方々の運動は、特筆に値するものだと思っている。農家の方々が日常的に実際、農業で協力し合い農業を発展させてきた姿が、伊都農民組合にはある。観光農園、インショップなど、これらの人々が切り拓いてきた地産地消の運動は、かつらぎ町の農業にとって、一つの希望になっている。
今日の挨拶では、宮井議員は、地籍調査によって面積が増えたところの固定資産税については、面積通りの税を課税するという町の方針を紹介した。かつらぎ町は、地籍調査によって、面積が少なくなったところは、固定資産税にただちに反映させながら、同時に面積が増えたところについては、地籍調査完了後に税に反映するという方針を採用してきた。これは、かつらぎ町の公式な方針だった。井本町長は、この方針をひるがえし、調査完了を待たずに平成2014年からすべて反映させる、今年1年かけて住民に説明するということを打ちだした。
2014年4月1日から消費税は8%になる。消費税増税と固定資産税の増税が同時に行われることに対する配慮は何もない。
宮井議員は、このことを熱っぽく紹介した。

ぼくは、伊都農民組合が、団結してかつらぎ町の農業の展望を切りひらいてきたことを語らせていただいた。今後、農家の団結がより一層大事になる。その時に農民組合の果たす役割は非常に大きいと思っている。
力を合わせて、生産に意欲と喜びをもって働いている農家の方々の笑顔を見ると楽しくなってくる。

農家をとりまく情勢は極めて厳しい。高齢化によって農業が続けられなくなり、年度の途中で廃業する例がかなりある。また、認知症によって農地の管理が難しくなる場合、農家による判断ができなくなるので、農地の維持さえ困難な事態に陥る例があることも教えていただいた。農地の保全、農地の維持管理をどうしていくのかを、かなりオープンにして考えていく必要がある。
地域の課題をどのようにして、町民の中で考え、問題提起をし、対策を講じていくのかという点で、生涯学習が果たさなければならない役割は大きい。役場は、地域に横たわっている課題を見つめて、生涯学習というアプローチを活用して、問題提起をしていく必要がある。地域の課題を鮮明にして、生涯学習課と産業観光課、企画公室のまちづくりの担当が連携を図って、問題提起をして、住民とともに考える場所をつくる必要がある。
最初は、単発の学習会を起こしてもいい。地域調査の手法も活用する必要がある。以前から言っているように和歌山大学との総合協定を実現し、シンクタンクとして大学を活用しながら、大きな学習会を計画し、次にその成果を各地域に持ち込んで議論するというような形で問題に対する対策を打ち立てていく必要がある。

役場の政策は、役場という機構の中で組み立てることのできるものもあれば、住民の中に問題提起をして、住民とともに組み立てていかなければ、具体化できないという政策もある。住民とともに組み立てていくべき政策は、住民と行政とのコラボレーションになる。この分野は未開拓の分野だと思われる。

この問題を隣保館問題で考えてみたい。
いま、問題になっている隣保館の今後の発展方向という問題も、本来は住民と行政とのコラボレーションとして組み立てていくべき課題だろう。しかし、全くそうはなっていない。町長は、ただ単に方針もなしに廃止をしたいというだけであって、廃止するかどうかの一点で住民との間での綱引きに入ってしまった。その結果、出発点における共通の土俵がなくなっている。
そうではなくて、隣保館の廃止はいいけれど、次の新しい発展方向については、双方が知恵を絞って新しいものを生み出して行く、そのために協働しようという形になれば、建設的な取り組みが生まれてくる。
今の局面は、新たなものを生み出さないで、方針を打ち出すか、打ち出さないまま廃止かという二項対立に陥っている。
町が深く考えなければならないのは、町当局の権限が大きいので、新しい方針なしに廃止するというような方向を打ち出せば、住民の側は、建設的な考え方を柔軟に打ち出せなくなって、一方的な廃止に対する対応に終始せざるを得なくなるということだ。
誰が建設的な考え方を阻害しているのかをよく考えていただきたい。

隣保館の廃止に対する合意はある。住民の側の願いは次の新方針を打ちだして欲しいということであった。これに対し町は、「新方針を打ち出します」と言ってきた。この約束を反故にして廃止を打ちだしたのは井本町長だった。二項対立を生み出したのは、現町長だったと言うことだ。その結果、昨年の秋からほとんど建設的な議論が生まれなくなった。この問題は、新しいまちづくり、新しいまちおこしにつながる課題だったのに、もう半年近く不毛な議論になってしまっている。

すべての課題を町おこしの契機に。こういうとらえ方に転換しないと、かつらぎ町は、行革との軋轢の中に埋没し沈んでいくことになる。天野小学校問題といい、隣保館問題といい、この半年間の議論の仕方は、かなり不毛な対立だったということを認識していただきたい。


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雑感,出来事

Posted by 東芝 弘明