読書したい

学習

最近、ほんのちょっと読みをしてから本を読むようにしている。導入部の数ページを読んで、面白ければ集中的に読むという方法だ。この方法を採用すると一度に6冊も7冊も読み始めることになる。毎日何冊も本を抱えて事務所に行く。持っているだけで読んだような気になってくる。一種の精神安定剤なのかも知れない。

最近、面白いなと思って読んでいるのは、平田オリザさんの『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』という新書版だ。この本は2013年の新書大賞の第4位になった本だ。
市川伸一さんの『学力低下論争』、鎌田慧さんと小森陽一さんの対談をまとめた『反撃』、大森望さん編集の『不思議の扉』、ドラッカーの『マネジメント 基本と原則』、不破さんの雑誌連載『スターリン秘史 巨悪の成立と展開』、コリン・P.A. ジョーンズさんの『アメリカが劣化した本当の理由』、今野 晴貴さんの『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』を読んでいる。これ以外に苅谷剛彦さんの『なぜ教育論争は不毛なのか』と山家悠紀夫さんの『くらし視点の経済学』をかじり始めている。

読み始めると止まってしまう本もある。集中して読みたくなる本も出てくる。

とにかく、たった一行でもいい。目を見開かせてくれる新しい発見、新しい視点に出会いたい。新しい発見や視点というのは、世紀の発見や視点というものではない。今までぼくが気づかなかったという意味で新しいものであればいい。それが、ほんの数ミリでも世界の見方を変えてくれる。今まで見ていた世界が、新しく息を吹き返して活性化してくる。

例えば平田オリザさん。
「コミュニケーションの顕在化」について洞察している。日本は、高度経済成長をへて第三次産業に従事する人が多くなった。もくもくと製造業の現場で仕事をしていればよかった時代から、コミュニケーション力が必要になるサービス業で働く人が圧倒的に多くなった。それだけ産業構造が変化したということだ。その時代の変化の中で、コミュニケーション力が問われるようになっているのにもかかわらず、「日本の教育制度は、工業立国のスタイルのままではないか」と書いている。
これには、膝を打った。そのとおりだ。
こういう発見があると、ものの見方が大きく変わってくる。ではコミュニケーション力とは何か。平田さんはこの分野でも鋭い。

読み飛ばさない。読んだことを吸収するために本から触発されて考えることが大事になってくる。本だけ読んで考えないで数か月も経つとすっかり読んだことを忘れてしまう。この間も、買って読んだ新書版について既視感があったので、本棚を物色したら同じ本が出てきた。2度目の本なのに新鮮に読めたということは、いかに自分の身に染みこんでなかったかという証左だ。

こういうことが多々ある。触発されたら文章を書くこと、触発されたら考えを深めること。そうしないともったいない。

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Posted by 東芝 弘明