「しんぶん赤旗」日刊紙に倉本聰さん登場

雑感

「しんぶん赤旗」日刊紙6月30日の1面に倉本聰さんのインタビューが掲載されていた。
「前略おふくろさま」や「北の国から」を見てこの人の作品世界が好きになり、シナリオ本やいくつものエッセイを読んで考え方に共感してきた。
倉本さんのインタビューは、すごく落ち着いている感じがして、ぶれを感じない。倉本さんは、朝鮮から日本への強制連行の話を語っていて、北海道でも強制労働のすえ亡くなった朝鮮の方の骨が出てくると言ってた。
従軍慰安婦の問題で、「強制連行はなかった」という橋下徹大阪市長の発言は、主に大阪で行われてきた。大阪にもたくさんの在日韓国人と在日朝鮮人の人が住んでいる。日本が、植民地時代に朝鮮で何をしてきたのかを知っている人なら、従軍慰安婦問題で「強制連行はなかった」などという発言は、できないはずだ。
この発言は、倉本さんがいうように、日本にいる在日朝鮮人と韓国人の人々に対する強制連行と深くだぶってくる。橋下氏の発言は、在日の方々を深く傷つけている。
倉本さんは、原発の再稼働と外国への輸出についても、理解できないと語り、「『原発ゼロにいますぐ踏み出す』という日本共産党の政策は、僕はまっとうなものと感じています」と語っている。

このくだりを読んで、田原総一朗氏の朝まで生テレビの発言を思い出した。田原氏は、「原発ゼロというなら各政党は工程表を示せ」と言い、「これが示せないのであれば無責任だ」と言っていた。「日本には原発推進なんていう政党は存在しない」とも言っていた。
この人の発言は、現実を直視しないという点、地球環境や被害を受けている人間をまともに見ないという点で、資本の側の立場に立った発言のように見える。

工程表を各政党が示すという論は、正論ではない。なぜか。原発や電気についての情報が、ほとんど明らかにされず、原発が全く稼働しなくても電気を生産できているデータさえ十分開示されていない中で、日本全体のエネルギー産業の転換を具体的に示せと言っているに等しいからだ。
日本共産党は、このような状況を踏まえて、次のような政策を明らかにしています。

原発事故から2年余の体験は、原発と人類は両立できないことを示しました。原発の危険から国民と地球環境を守るという点からも、国民合意という点からも、どの原発も再稼働する条件はありません。「即時原発ゼロ」を決断し、ただちに廃炉のプロセスに入ることが、最も現実的な道です。

 原発にたよらず、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギーの大幅導入への抜本的転換の計画を立てて、実行していきます。エネルギー確保のためには、当面、5~10年程度の期間は、過渡的な措置として、火力による電力の確保が必要になりますが、その間に、再生可能エネルギーの大規模な普及と低エネルギー社会への移行をすすめます。原発推進派は「自然エネルギーは供給が不安定」などとしますが、多様なエネルギーである太陽光・熱、小水力、風力、バイオマス、地熱、潮力などを組み合わせて普及すれば、安定します。

この基本的な政策が、政府の方針になれば、この方針に従って具体的な工程表が組まれることになる。政府が、電機業界に対して情報開示を求め、エネルギー政策の抜本的な転換に踏み出すことなしに、原発ゼロへの道は開かれないだろう。電機業界の株主総会では、脱原発、自然エネルギーへの転換という方針が株主総会に提案が否決されているが、まこのような状況を許している責任は政府にある。
国民は、エネルギー政策の転換を決断しない政府をあの事故以後も持ち続けてるということだ。政府のエネルギー政策は、原発依存であり再稼働と海外輸出への取り組みを推進することであって、自然エネルギーの普及に全力を尽くすというものになっていない。しかも、この立場を推進するために、福島原発の事故にさえ、真正面から向きあわないという傾向が強まっている。原発事故の収束宣言の撤回がおこなわれていない。その中で海洋汚染は深刻の度合いを増している。

情報開示がない状態の中で、工程表を示せというのは、それこそ空論だろう。日本共産党の政策は、ドイツなどの例を踏まえて切り替えることは可能だといっている。原発依存派は、自然エネルギーへの切り替えをまともに検討しないで、自然エネルギーはコストが高い、とか不安定だとかいっている。非科学的な態度を取っているのはどっちなんだろう。

倉本聰さんのように、人間にとって大事な視点を見すえて、発言するという生き方がに共感する。そういう視点で見ていただければ、日本共産党への共感も出てくるのではないだろうか。


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雑感

Posted by 東芝 弘明