快気祝い
4時に会議が終わり、郵送と役場への配達の用意にかかった。帯封を作る。今日は役場の読者の印刷をする必要があった。B4の用紙に同じ人の宛名を4連印刷した。折り込みのニュースが2つ。日曜版を4つ折りにして帯封を新聞にまく。23歳の時から毎週繰り返してきた作業になっている。
配り始めたのは、6時前だった。役場の中に入るころ、日が落ちかけていた。6時を回るとすっかり暗くなっていく。日が落ちるのが早い。
新聞を帯封に包むのは、誤配の時に配達してもらえるからだ。名前を書いていれば机が変わっていてもきちんと相手に届く。誤配がなくなる。所々で声をかけながら配っていく。ときには話し込むこともある。
「遅いね」
「起案の文書を作っています」
今日はこんな声が返ってきた。
自宅に帰ると7時5分頃だった。娘は2階で眠っていたようだ。
「こんばんは」
夕ご飯を作っていると同級生のK君が快気祝いをもってきた。
2学期が始まる(2学期制なので2学期の始まりは10月の末らしい)ときに職場に復帰する予定だという。元気に笑う顔があった。病休になって10か月、復帰するまでに11か月。快気祝いの中に手紙が添えられていた。現在の状況についての報告だった。嬉しくなる報告だった。
「元気そうで良かった」
玄関先で話になったときに、妻はそう声をかけた。声の先にK君の笑顔があった。
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