メディアは、日本国憲法を指針にして報道すべき
赤旗創刊90年、メッセージ
「しんぶん赤旗」は、2月1日、創刊90年を迎えた。日本共産党の編集の観点の基本には、日本共産党綱領がある。この綱領は、未来社会を展望し、民主主義革命を実現するために日本国憲法の全条文を守り、日本国憲法に基づく日本をつくることを展望している。同時にそのためにも対米従属と大企業中心主義の政治と経済からの転換を求め、この転換を通じて、国民主権が文字どおり生きる日本をつくろうと呼びかけている。
日本共産党の綱領が展望している未来社会は、日本国憲法を根本に据えた社会でもある。「しんぶん赤旗」の編集は、こういう視点によって組み立てられた新聞になっている。
本来なら、戦後の日本の各新聞社の基準には、日本国憲法が座るべきだろう。日本国憲法の視点で新聞編集が行われていれば、政治の変節や国民本位でない政治を徹底的に追及できるのに。今の新聞各社がぶれて安倍政権に迎合し、安倍政権を忖度しているのは、日本国憲法という基本が見失われているからではないだろうか。
国民主権と国家主権、恒久平和、基本的人権、議会制民主主義、地方自治。憲法には戦後確立した民主的な5原則がある。これらの視点で紙面が編集されていれば、ジャーナリズム精神は遺憾なく発揮されているだろうし、日本共産党の「しんぶん赤旗」ともそんなに遜色ない記事はかけるだろうと思われる。
日本共産党の独自の視点の中心にあるのは、対米従属の問題と大企業中心主義に対する追及だろう。この問題に対して日本のメディアがどこまで追及できるのかは、よく分からないが、この問題も憲法を基準に考えれば、かなりの追及はできるだろうと思われる。
日本国憲法には、戦後の日本の出発の原点が体現されている。戦後の原点には、もう二度と戦争を繰り返してはならないという思いや、政党が大政翼賛会に合流し、マスコミが大本営発表に従って、検閲の徹底的な対象になって戦争への協力と賛美を行った過ちを繰り返さないという視点があった。この線後の原点を忘れたメディアは、もはやジャーナリストとは呼べない。
マスメディアは、もう一度、戦後の原点、日本国憲法が何を実現したのかを見つめ直す必要があるのではないだろうか。
マスメディアは、次のことを忘れてはならない。
「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」(憲法前文)
「第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」
この基本だけでも、権力の監視の視点は確立できる。