自民党の個人演説会

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石田さんの個人演説会に参加した。生まれて初めて自民党の演説会に行ったことになる。
7月18日の演説会に来ていただいたので、お礼のためにお誘いに応えて参加させてもらった。
会場に参加した人はほぼ700人。
満員にすこしたらない程度。
かつらぎ町と九度山町による動員ということなので、よく寄せていると思った。
演説会は全編、民主党批判だった。
政権政党の危機感があらわになった演説会だったが、誰も現在の政治と未来の政治を語らなかった。
では、早速、民主党の参議院議委員だった大江さんと公明党の西さん以外の方の名前は明らかにしないで、どういうことが語られたのか、記念になるので少し書いておこう。
1 特筆したいのはマスコミ批判
マスコミ批判になると話が加熱した。
ただし、候補者になっていない(あたりまえか)マスコミへの批判を強めれば強めるほど、危機感があらわになってくる。選挙戦への焦りがマスコミ批判となって現れているように見える。マスコミへの批判は、民主党への批判よりもボルテージが高い印象さえ受けた。
2 国民の関心事に答える話だったのか
演説には、社会保障も年金問題も雇用の問題もなかった。
国民の心配事や不安にまったく答えないというのはどういうことだろう。
政策的なもので語られたのは景気回復だった。これは大きな関心事の一つだ。
「景気対策によって、景気は回復してきた。株も1万円になった。消費が低迷している。この消費を回復しなければ」と語っていたが、こうやって景気を回復するという具体的な話はなかった。
消費拡大でいうなら雇用問題が欠かせないだろう。
消費拡大は、国民の懐を暖めることなしにおこらない。消費力が日本経済の6割を占めているからだ。この間、好景気が続いたが消費は冷え込んできた。理由ははっきりしている。国民の賃金は下がり続け、労働分配率は低下してきたからだ。国民の購買力を高めるためには、雇用問題を解決しなければならない。このことに言及しないままで消費の冷え込みを回復させたいと言っても、説得力があるだろうか。
3 右翼的に聞こえた独特の批判
民主党の国会議員の中には日教組出身がいて、そこから文部科学大臣になるといわれているといい、教育は日本の根幹。こんなことになったら大変なことになると言った。なぜ日教組ではだめなのか、という話は全くなかった。証明なしの演説だった。
日の丸の旗を切り刻んで民主党の旗を作った話と民主党の党大会には、国旗も国歌ないという話もされ、こういう政党に政権は任せられないという訴えをしていた。
この批判の仕方は、自民党らしいものだろうか。かなり右翼的な匂いのする批判だった。こういう批判は、聞く人の琴線にふれるのだろうか。
4 民主党のマニフェスト批判
民主党のマニフェスト批判は、的を射ていた。
〈高速道路問題〉
「高速道路無料化で2兆円財源が必要(民主党の試算は1兆3000億円)。高速道路を無料化したら道路財源がこれだけ削られる。われわれは、10年間で道路予算を半減させてきた。民主党はさらにこれを半減させると言っている。こんなことをして、建設業界はどうなるんですか。私たちは政権党だからこういうことも考えなければならない」
〈日米FTA(自由貿易協定)問題〉
「これが結ばれたら日本の農業は壊滅的な打撃を受ける。農協(農水省の誤り?)の試算によると自給率40%が12%まで下がってしまう」「民主党のいう所得保障は米だけ。しかも販売米だけです。親戚にまわす分には保障がない」
〈子ども手当の問題〉
「扶養控除の廃止などとんでもない」「民主党のマニフェストは一言で言って大ざっぱです。政権党だから無責任に大胆なことはいえません。地に足のついた政策が大事です」
たしかに、民主党のマニフェストは、心配なことが非常に多い。本当に実行できるのかというたぐいのものだ。隙だらけのマニフェストだから批判がしやすいので民主党批判のオンパレードになったのかも知れない。
5 構造改革への評価は?
改革についても語っていた。この分野の論調については、少々驚いた。
演説では、「急激な改革は混乱を招く。自民党はゆるやかな改革を進めてきた。最近、ようやく将来にほのかな明かりが見えてきた」と言った。
このような論調を聴衆は良しとするだろうか。構造改革を「ゆるやかな改革だった」というのは、実感とかけ離れているのではないだろうか。
「将来にほのかな明かりが見えてきた」
と言われても、この言葉は胸に響くだろうか。
政権交代については、批判をおこなった上で、
「こんな民主党に政権を任せることはできない。日本がつぶれてしまう。つぶれるというとこまではいかないにしても、大混乱します。取り返しのつかないことになる。教育しかり、日米関係しかり」
という言い方をした。
国民を脅してどうするのだ、という感じだった。
自民党は、もっとふところの深い政党ではなかったか。
自民党には、他党批判だけではなく、自民党の積極的な政策展開を語ってほしかった。民主党のマニフェスト批判だけというのはいかにも寂しい。
国民に対し、未来の展望を語れない政党になってしまったということなのかも知れない。
6 自民党以外の国会議員の応援演説
大江さんも応援演説をおこなった。
「私は5年間民主党に入っていた。民主党だった私がいうのだから間違いない。民主党はダメです」
なんだか、どうも滑稽な感じがした。
「なぜ、あなたは民主党に入っていたのか。国会議員になりたかったからなのか。国会議員になるためには手段を選ばなかったということなのか?」
という疑問が湧いてくる。
民主党が政権につこうとしているときに、民主党を辞めて自民党に接近し、「私は客観的にものがみれます」といっても説得力に欠けるのでは?──などと思ってしまった。
思っちゃったんだからしかたがない。
公明党の西さんも演説をおこなった。連立政権10年。自民党は公明党と仲良し政党になっていた。
この仲良しぶりには驚いてしまった。
あしからず。
大江さんも西さんも演説はうまかった。しかし、笑いが大きく広がらず、楽しい雰囲気を作るまでには至らなかった。
【まとめてみた】
これだけ、自分のところの政策を語らず、民主党批判だけになってくると、完全なネガティブキャンペーンになっている。全編批判というのは、聞いているとかなりしんどい。積極的な政策展開が加わらないと、じゃあ自民党自身の考えを聞かせてよとなってくる。
具体的な政策はマニフェストを見てほしいということなのかも。
そんなこんなで、
自民党のマニフェストと公明党のマニフェストが入口で配られたので、2セットもらって帰ってきた。
マイナスとプラスの記号が書かれているマニフェスト。
自民党には、見せるべき顔がなくなってしまったのかも知れない。


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Posted by 東芝 弘明