資本主義の価値ある変化を自分のものに

雑感

2回目の粉河高校生を対象とした宣伝は、雨にあうこともなく無事終了することができた。高校生を対象にして訴えるときは、とくに、どのような意識をもっているかということにフォーカスして、話をすることが意識される。今回、ぼくは人の話を聞くだけだったが、自分が話する時には、明治から今日までの資本主義の「時間」をテーマに話を紐解こうと考えていた。江戸時代から明治に入り、明治の社会体制の期間が77年という時間をもっている。1945年8月に戦闘が終わり、1945年9月2日に太平洋戦争が終わっている。それ以降の時間が79年。来年になると戦後は80年を迎える。自民党の靖国派と呼ばれる人たちは、日本の伝統をわずか77年間の明治に求めているが、歴史と伝統という点では、戦後の方が長くなった。明治憲法が制定されて以降の「時間」と比べても、日本国憲法下の「時間」の方が長くなっている。

日本の家族制度も、「万世一系の天皇の時代」というのも、明治時代に形成されたものであり、万世一系に至っては、天照大神を出発として、神武天皇という神話に根拠をおくものだった。フィクションにもとづく社会体制に日本の原点があるというのは、事実と違う。

明治時代は、旧社会の母斑、封建制の時代の江戸を深く引きずった社会体制だった。社会変革は一気には進まないので、資本主義に足を踏み入れた明治の社会体制というのは、半封建的な色合いを物理的に残した「絶対主義的な天皇制」という名の資本主義だった。この社会体制は、資本主義列強に憧れたものであり、新興国の資本主義として諸外国に対し、植民地を求め、戦争に明け暮れるという歴史を描いた。この日本の戦略が第二次世界大戦を引き起こし、世界戦争の中で敗北を迎えた。

ここから日本の歴史は大きく転換した。封建時代の旧社会の母斑は、戦後もまだ数多く残したが、しかし、それを根本から払拭できるだけの日本国憲法というものを得て、新しい時代が始まった。女性に参政権が実現し、個人の尊厳の尊重を最大限、保障するという日本国憲法は、国民の権利を一歩一歩前に推し進め、時代を確実に変化させた。最近、この変化を押しとどめている勢力が、自民党という古い社会体制の担い手であることが浮き彫りになってきている。

もちろん、こういう認識を高校生を相手に直接語るわけではない。示したいのは、明治から今日までの変化の歴史を学ぶことが、これから自分たちが生きる力になること、社会と政治の中で生きることは、避けて通れないし、高校を卒業したら社会に出る人、専門学校や大学を出たら数年後には、この社会に出て行くことを踏まえて、政治や社会のことを学ぶことは、間違いなしに生きる力になることを伝えたかった。政治や社会のことに触れていくと、日本が戦争を準備していることも見えてくる。そういうことも考えてほしいという話をしたかった。

歴史は複雑に動いているが、自由と民主主義は、一つの赤い糸のようにしなやかに柔軟に資本主義の歴史を貫いている。個人の尊厳の尊重という根底の思想を得た日本国憲法は、人生の主人公は個人だということを軸にしたもの。この赤い糸を発展させることに未来への希望がある。自分の人生の軸に自由と民主主義の赤い糸をすえることが、未来につながる力になる。

実際、マイクを握ると、どのような訴えになるのかという点には不安があった。初めての話だったからだ。同じテーマで話をしても、人が違えば、話す内容は変わる。同じテーマで話す内容が変わるかどうかは、話の主語が自分であるかどうかによる。自分の視点のない話は、同じようなものになる。ぼくはそう考える。

夕方、散髪に行った。眠ってしまった。家に戻ると8時を過ぎていた。


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雑感

Posted by 東芝 弘明