議会だより、全国コンクールで奨励賞に

雑感,出来事

全国町村議長会の議会だよりの全国コンクールでかつらぎ町議会の議会だよりが、奨励賞を受賞した。受賞したのは85号だった。応募総数は311議会、この中で入選は10議会、奨励賞は8議会、最近新たに設けられた表紙写真の部門で4議会。この中でかつらぎ町議会が奨励賞をいただいた。かつらぎ町議会の議会だよりは、原稿とレイアウトを、議員が手分けして作成し、事務局がそれを整理して印刷会社に入稿している。役割分担でいえば、議会事務局が3割、議員が7割程度作成しているといえるだろう。

ぼくは、編集長として議会だよりに関わってきた。編集委員全員と事務局は、紙面のクリニックを受けたり、他の議会に視察に行って、一歩一歩紙面改善を重ねてきた。今回の受賞は、議会だよりの編集委員と議会事務局の職員が力を合わせて作ってきたこと、それを綺麗なレイアウトに仕上げてくれている印刷会社の人々のコラボレーションによって生まれたものだった。関わってきた議員、事務局職員、印刷会社、役、町長、課長、職員のみなさん、住民のみなさんに感謝したい。

作成するのに必要な日数は5日程度だろうか。議員が一番苦労しているのは、手書きレイアウトを作成して、その枠内に原稿を収めるところと住民への取材にある。表紙の写真も最近は議員が自分で撮ってきて決めることが多い。写真の上手な議員が表紙写真では大きな力を発揮している。昨年の奨励賞をいただいた85号は、住民への取材に積極的に取り組んで、住民の声を町の施策のところに掲載したはじめての号になったものだ。住民の声を載せることによって、編集が立体的になった。

議会には意見の違いがある。つまり争点が存在する世界だ。争点が存在するが、それをきちんと住民に見せることが大事だ。争点とは言い争いではない。どの点で意見が違っているのかということだ。よく地方議会は、意見が対立するのではなく、町民のために一致団結して仕事をしてほしいという方がいる。しかし、どのような小さな組織にも意見の違いは存在する。同じ目的を持った組織でもそれは同じ。意見の違いを大事にしながら、時間はかかるけれど合意を形成して、一致して物事を進める。こうやってはじめて、組織は本当の力を発揮する。自由に意見を表明し、ときには対立しながらも一致点を見いだして力をあわせる。ここに民主主義の力がある。組織の中で力の大きい者が、異論を抑え込んで組織を運営しはじめると、その組織は腐ってきて、内部から崩壊していく。

意見が違うのはいい。意見が違っても一致点を見いだしていけば、新しい力が湧いてくる。どんなに意見が違っても、妥協したり理解したりして、一致点は生まれてくる。これをめざすということだろう。

かつらぎ町の議会だよりは、長い時間がかかったが、争点のある世界を住民に見てもらって、判断してもらうということをある程度、明らかにできるようになった。多くの議会がまだ、争点のない世界のように議会を描いている中で、かつらぎ町議会は、議会の姿をかなりリアルに描くように変化してきた。意見の違いを明確に見せつつ、住民である読み手が、それを判断できるようになれば、編集委員会の目的はかなり達成したといえるだろう。こういうものになるように努力をすることが大事だろうと、最近は思っている。

レイアウト編集と記事の作成でかなりの負担になっていた。さらに住民への取材を積極的に行うことによって、紙面はさらに充実したが、負担は一層重くなった。
「今でも負担は重いのに、本当に取材を強める方向に進むかどうか」
この点については、かなり時間をかけて合意を形成してきた。
ここからさらに先に進むためには、新たな体制に移行することが必要になる。プランはすでにもっている。編集委員の中にも共通認識はできている。あとは、どのタイミングで新たな方向に足を踏み出すかだろう。

多くの住民のみなさんの声を紙面に載せるところまで進んでみたい。今回の受賞が次への新しい契機になるよう努力したい。


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Posted by 東芝 弘明