職員による公金横領事件が発覚

雑感

2017年11月27日、午前11時から開かれた議員全員協議会で、職員の公金横領の事件が報告された。事件を起こしたのは、守口ふるさと村に勤務する町職員で、平成17年から平成29年の時間が発覚するまでの間、宿泊施設の収入を改ざんして、公金を横領していたのだという。報告のあった時点では、被害総額や事件の全容については明らかになっておらず、調査中であり、職員への処分を検討しているということだった。
事件が発覚したきっかけは、経理を疑問に思った上司が調査をしたことによる。調査の中で団体客の宿泊料の振込先通帳が職員の個人名義の通帳になっていたことが発覚し、本人は、聞き取りの中で公金の私的流用の事実を認めている。ただし、平成28年度を含む過去の証拠書類は、ほとんど廃棄されており、事件の全容は明らかになっていない。職員本人の自己申告による流用額総額は300万円で、本人は11月8日、役場に300万円を振り込んでいる。
全協では、事件の全容が明らかになっていないなか、「300万円は受け取るべきではない」という意見が出されたが、町長は「300万円以上の被害があれば、今回の300万円はその一部ということになる」という主旨の発言をして、300万円の受け取りを認める態度を示した。

証拠の隠滅を図っているので、役場が把握できる資料だけで事件の全容を明らかにするのは困難な状況にある。全員協議会では、「専門家を入れて事件の全容を解明すべきだ」という意見や「告訴すべきではないか」という意見も出された。
ぼくも専門家による調査を求めたが、総合的に考えると警察に告訴するのが一番いいだろう。証拠の隠滅を図っているので、警察と検察による捜査をおこなわなければ、全容は明らかにならないと思われる。過去の証拠書類を廃棄して隠滅を図っていること自体、大問題だといわなければならない。証拠書類を廃棄しているのに毎年決算が行われ、そのことが全く発覚しなかったことも問われる。役場のチェック機能がなぜ働かなかったのか、という点も大問題だと思われる。

守口ふるさと村は、守口市とかつらぎ町が共同で管理運営を行っている宿泊施設であり、赤字の内の7割を守口市、3割をかつらぎ町が負担して運営されている。収入計上を過小に報告し、公金を流用したということは、赤字額を膨らませる行為であり、この行為によって守口市とかつらぎ町の公費負担を増大させる結果を招いたことになる。

かつらぎ町は、2017年11月30日時点で、この事件に対し告訴・告発する決断をしておらず、11月30日の時点では、新聞記事にもなっていない。処分が決定すれば、マスコミに情報を伝えることが予想されるが、町当局が告訴・告発を行うかどうかはまだ定かでない。
本町における公金の私的着服の事件は、過去に複数例存在した。しかし、今まで町が告訴した例は記憶にない。証拠隠滅を図っているこの事件に対して、どういう態度を取るのか、町自身も試されている。過去の事件の場合は、損害額を全額返済させたことをもって告訴しないという態度を取って来た。しかし、今回は過去の例と同じように対応する訳にはいかないだろう。

今日はこの問題を巡って、決算委員会が開催され、この問題について報告がなされていない段階の委員会採決について協議が行われた。決算委員会で採決が行われたのは11月16日。かつらぎ町がこのような事件が起こっていることを守口市に報告したのは11月9日。この同じ11月9日に、決算委員会は町長に対する質疑を行っている。なぜ、町当局は、決算委員会にこの事件を報告しなかったのか。本人の供述によれば平成17年から平成29年までの12年間、公金の流用を行っていたことを認めているので、平成28年度の守口ふるさと村の会計年度にも、公金の流用が行われていた可能性がある。公金の流用を誤魔化すためには、証拠書類を改ざんする必要がある。収入を低く描いていたとなると、平成28年度決算にも会計処理に改ざんが含まれていたことになる。

平成28年度決算については、こういう会計が含まれていた守口ふるさと村運営事業特別会計歳入歳出決算を採決し、全員一致で認定する態度を取った。一旦採決した事実を覆すことはできないというルールがあるので、今日はかなり時間をかけてどうすべきかを検討する会議になった。
なぜかつらぎ町当局は、決算委員会にこの事件を報告するという態度を取らなかったのか。この疑問は残ったままになっている。


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雑感

Posted by 東芝 弘明