かつらぎ町が産廃問題で県庁に陳情

出来事,かつらぎ町議会

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午後12時45分出発で和歌山県庁に陳情に行った。参加者は中飯降自治区の役員の方々と議員、町長、関係課の職員だった。和歌山県庁の議会棟の前で町長と堀龍雄県議が待ってくれていた。自民党県会議員の控え室で時間まで待機させていただき、案内に導かれて懇談会場まで移動した。
県庁で対応していただいたのは、林務関係の職員と産業廃棄物関係の職員だった。
中飯降の広域農道沿いの谷で林地開発を行っていた場所に、安定5品目の産業廃棄物最終処分場を建設する事前申請がなされようとしている。この動きに対し、かつらぎ町と議会と地元が一緒になって、産業廃棄物最終処分場建設反対で陳情を行ったということだ。
林地開発を行っている業者は、事業の最初に造る約束だった沈砂池やえん堤を造らないまま事業を行っている、県はこの約束違反を認めつつ、「早急に造って下さい」という指導を行っている。
このような姿勢の業者が、林地開発を行っている同じ場所で産業廃棄物の最終処分場を造りたいと言い始めているので、かつらぎ町は大きな疑問と懸念を持っている。
写真は、井本町長が要望書を手渡している姿を写したもの。

安定5品目の産業廃棄物の最終処分場というのが、全国各地でこのような最終処分場が、かなりの問題を引きおこしてきた。安定5品目とは、廃プラスチック類・金属くず・ガラス陶磁器くず・ゴムくず・がれき類のうち、除外項目に該当しない産業廃棄物のことだ。安定しているからいいのではないか、ということだが、この5品目というのは、住宅を解体し出てくる紙や木、壁などの建築廃材以外のものが、かなり広く該当する。建築物を解体し、分別をしたとしても完全に分別できないので、一定量の異物が入っていても大目に見る場合がある。どれだけの量の紙や木が混入するのかということも問題だし、廃プラスチックというものの中にはいろいろな物質が存在する。金属くずという分け方もものすごく大ざっぱだ。

橋本市では、過去に菖蒲谷で大量のダイオキシンが発生し重大な健康被害と環境汚染に発展した事例があった。県会議員だった村岡きみこさんに同行し、この現場に立ち入り調査したことがある。
橋本市の菖蒲谷の産業廃棄物の中間処理場は、どう見ても住宅を解体した瓦礫を分別もせずに投棄していた。現場で視察をしていると、トラックが処分場の一番奥まで入ってきて、瓦礫をぶちまけた。谷の底には風呂桶なども転がっていた。
「分別することになっている」「焼却炉を作る予定だ」
これが立ち入り調査した時の説明だった。
結局、この処分場からガスが発生し、自然発火する事件が発生したり、簡易な焼却施設による焼却によって大量のダイオキシンが発生し、土壌からは鉛が検出されるという事態に立ち至り、県が代執行して処理するということになった。運営していた会社は、この過程の中で倒産した。

安定5品目という最終処分場は、分別されないまま建築廃材が持ち込まれたら深刻な環境汚染を引きおこす。家庭内の物を分別せずに埋め立ててしまうとものすごい化学物質を土の中に混ぜ込むことになる。徹底した分別を行うためには、解体の現場での徹底した分別と搬入のマニュフェストの徹底が必要不可欠になる。受け入れ業者が不十分な分別でも受け入れOKという態度をとれば、処分場は極めてひどい状態になる。一つ一つの搬入トラックに対し、徹底的な検査を行い、投入規制する体制を構築するのは難しい。建物を解体する会社が大きな優良企業であっても、適正価格で処理を依頼しないと安い価格で請け負うややこしい業者が介入し、搬入規制の弱い業者が投入を許せば、極めて深刻な事態が引きおこされる。

県当局は、今日の懇談では、法律に基づいた適正な指導を強めるという話に終始した。和歌山県は、橋本市菖蒲谷の処分場の教訓をどのようにまとめ、対策を強化しているのだろうか。そういうことを調べる必要がある。


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Posted by 東芝 弘明