生活保護の話

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保護を受ける人の中には、生きる姿勢が破たんしている人も多い。ぼくが関わってきた人もそういう人の1人だ。生活保護に関わっていると、そういう人に対し非常に厳しい目を向けるようになったりする。
ぼくが、いつも感じるのは、日本社会という構造の中でその人の歩いてきた道を見るべきだということだ。そういう視点がなくなると、生きる姿勢を崩した人が悪いということになってしまって、その人の再生の道さえ閉ざしてしまう。
10代だった娘さんの名前で借金をしたことによって、娘さんに数百万円の借金を背負わせた話がある。
親のしたことによって、子どもの人生が振り回され、大変な負担がのしかかってくる状況になったが、娘さんは、膨大な借金を返済し続けた。自立して生きるために選択した職業。あきらめたスポーツ関係の夢。
奨学金を返済しながら、父親の借金を払い続けた人生を考えると、絶縁されても仕方がないと思ってしまう。
それからさらに10数年が経ち、ある事情があって娘さんが再び関わることになった。苦労を背負い、それをはねのけるようにして自立していった人生に頭が下がる。
さまざまな関わりを持ってきた人が、集まって話し合うことは大事だと思う。かつらぎ町では、最近、こういう形での対応がはじまりつつある。集団で関わることによって、役割分担もでき、めいってしまうような事象にも立ち向かうことができる。
ぼくは、生活相談を受けた中で、その人と関わり始めたのだが、集団で対応できる仕組みがあれば、本当に心強いと感じた。
午後、会議の後、訪問に行った。
土建屋の事務所の社長さんは、公共事業関係の仕事がほとんどないといい、今は民間の工事だけになっていると語った。
「海外援助もお金ではなく農産物を配布するというような形でもいいのではないか」
社長さんは、こう語った。
以前、自民党の参議院議員のTさんにこういう話をすると「色々なしがらみがあって難しい」といったそうだ。
「おそらく、しがらみというのは、日本の場合、輸出大企業のために日本の農業を犠牲にしてきた貿易の関係があるという話だと思う」
ぼくはそう言った。
落ち込んでいる地域経済をどう活性化するのかという話になった。
「地域経済を活性する特効薬は、社会保障を国の予算の主役にすることです。かつらぎ町は65歳以上の人口が30%を超えていますが、社会保障に財源をさき、介護と医療の職場で生活できる給料が保障されて働けるようになれば、こんな田舎でもお年寄りも多いが、若者も多い町ができる」
ぼくはそう説明した。
また、
農業の再生という話もして、「かつらぎ町は7000人も農業に従事しているけれど、住民税は450万円程度しか町に入っていません。農業は所得のでない産業になっている。この分野で所得が上がる農業が作れるとかつらぎ町の地域経済は一変してよくなります」
ということも語った。
夜は、かつらぎ町PTA連合会の実行委員会が開催された。
自宅に帰ると9時をまわっていた。


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Posted by 東芝 弘明