浅田次郎さんの短編

雑感

2月の初め、視察先の岡山に持っていった本の中に浅田次郎さんの短編集があった。その本を視察帰りの電車の中で読み終えてから4冊目だろうか、朝田さんの短編集を読み続けている。この人の短編集には、驚くほど色合いの違う話が並んでいる。
短編集の中で多くの男が持っていると思われる過去の恋に対する思いを描いている作品をいくつか読んだ。過去の恋に対して、女性の恋は、氷のように溶けてなくなるが、男性の恋は、歳月とともに積み重なるというような意味の表現があった。
「そうかも知れないなあ」
読みながら、女の氷と男の結晶の違いかな、という気もした。
でも、ぼくの知人の女性のなかには、過去の恋に対しても、ずっと変わらぬ相手への思いをもち続けていると思われる人がいる。男と女で線を引いても、やはり線は引き切れない。男と女に違いを探し始めると、結局は境界線があいまいになって一つの円になる。
作家は、自分の気持ちを虚構の作品の中にちりばめて楽しんでいる。短編集を読みながらそんな気持ちになった。家にある浅田次郎の短編集がなくなりそうなので、もう何冊か手元に引き寄せてみたいという気持ちになった。

もうすぐ議会が始まる。議会になれば、錐で穴を開けるように神経がとんがるので、それまで読んでいた本や考えていた物事に中断が生じる。読んでいた本が途切れたりして、意識が変わってしまう。考えてみると、そういうことを28年も続けている。


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雑感

Posted by 東芝 弘明