「自意識過剰は棄てよ」、演説の極意発見

出来事

洗濯機の水漏れが深刻だった。せっかく綺麗に洗濯した衣類なのに、直筒式の洗濯機の蓋を開けると、ボタボタぼたと汚い水が洗濯槽の中に入って衣類を汚してしまうという現象が発生した。
妻と2人、悩みながら深夜1時30分過ぎまで水漏れの原因と格闘して、何度か洗濯機の自動清掃を試みた。サイホンの役割を果たしているらしいキャップがはずれていたので、それを取り付けようと試みた。手元が暗いので懐中電灯で照らしてサイフォンのキャップをはめようとしたが、どうもカチッとはまらない。ああでもない、こうでもないと2人で悩んでも事態は改善しない。日曜日の朝は早朝配達がある。時間を見ると夜中の1時30分を過ぎていた。仕方がないのであきらめて眠ることにした。こういうことが起こると、どうも1日眠たい。

日曜日の朝、サービスセンターに電話した。
「ナビダイヤルでおつなぎしています。通話料は20秒で10円程度かかります」
ときどきこういうアナウンスがある。「どういうこっちゃ、めっちゃ高い電話やんけ」
心の声が浮かんできた。その点、Appleはフリーダイヤルだったので心優しかった。
ナビダイヤルについては、ウキペディアにこう書いている。
「発信者に強制的に高い料金負担を強いるために、問い合わせる側にとってはナビダイヤルはすこぶる評判が悪く、総務省所管の電気通信消費者相談センターにも苦情が寄せられている。ナビダイヤルを企業の窓口番号を設定することは、企業のイメージを損なう結果ともなりかねない。」
コールセンター用にナビダイヤルを使っている今回の企業は、H●●●chiだった。

しかし、電話に出た女性は親切だった。水漏れの原因は、ぼくの掃除にあったようだ。洗濯機の柔軟剤入れがものすごく汚かったので、ヘドロのような汚れを取り除いたら、どうもパイプが残ったヘドロで詰まってしまい、水が十分流れなくなったのが原因だった。
「分解修理」というのが答えだった。明日洗濯機を直しにサービスマンがやってくることになる。

さて、紀南の方で会議があったので、2人を車に乗せて御坊まで移動した。京奈和自動車道と高速を走るとほぼ1時間で目的の市内に到着した。国道沿いにあるガストでご飯を食べようと思って車を走らせたが、ガストを発見できず、吉野家に行くことになった。食べたのはネギ塩鳥丼。490円。木村ミートの焼き鳥丼の方が美味しい。安いし料理が出てくるのが速いので会場に30分前に到着した。
案の定寝不足がたたって少し眠ってしまった。事前に発言者への質問と再発言を提案すると、採用されたので質問に対する再発言が行われた。これを導入するだけで会議が生き生きしてくる。面白かった。一方的に聞かされる会議と比べると聞いている人間が会議に参加できるのでなかなか面白い。

島田雅彦さんの『簡潔で心揺さぶる文章作法』を読み始めた。島田さんの本はやはり面白い。表題がハウツー本的なのにハウツー本ではない。そこが島田さんらしい。短文レッスンは、本の最後の5分の4ぐらいから始まる。序章と第1章と第2章を読み進めるだけで、演説や自分の文章の書き方に役に立つ話がいっぱい出てきた。島田さんは、短文の書き方を指南しようとしているのだけれど、ぼくにとっては演説に役に立つ「指南本」になった。
島田さんは、本について、誤読の進めを行っている。読み手が、本から何かを得れば言い訳なので、どんな読み方をしてもいいということだ。
この本を読んで「演説に役に立つ」と思っても全然大丈夫ということだ。

「自意識過剰は棄てよ」と書いている。自分の姿を客観的に第三者の目で見た人間は誰もいない。大体、人間というのは、自分に対して、その容姿も含め自分を美化して捉えている。文章を書く時も同じ。よそ行きのシュッとした姿で文章を書こうとする人が多い。とくに文章を書いていない人にこの傾向が強い。つまり、ええかっこしいの文章になる。こういう自意識過剰の文章はまったく面白くない。味わいがない。人間の心情が表出されない。ということだ。

島田さんは、私小説というのは、自分を客観視し、自分に対して徹底的に批評の目をもって書いている文学だと言っている。自分の対する手厳しい批評がなければ、私小説として成り立たないということでもある。
なるほど。

演説では、自分のことを語る必要があるけれど、自分のことをよく見せようというような演説は、人の心を捉えない。自分の失敗したことやドジなことを披露して発言すると人々が笑うのは、話し手が自分を飾らずに聴衆の前に姿を現すからだろう。そういう話は、話し手と聞き手の距離をぐっと縮める。
自分の心の底から思っていいることを真っ直ぐに語れるようになると、人々は耳を傾けてくれる。自分の心情を吐露できるようになるというのも、人前で自分をさらけ出すということなので、これもいい。さらに自分に対する批評の目がきちんとあれば、話に深みが出るということなのかも知れない。

島田雅彦様、ありがとうございます。と言いたくなるような本に仕上がっている。本との出会いは、ホントに面白い。

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出来事

Posted by 東芝 弘明