雨のことをほとんど知らない
朝から雨が降っていた。本格的な雨だった。激しい雨の音が事務所の2階にいると、かなり聞こえてきた。1階と2階とでは雨の音が違う。空から落ちてきた雨は、どれぐらいの時間で地上や屋根に届くのだろうか。一粒一粒の雨によって、雨の音が作られる。同時に地面に落ちる雨は、いったいどれぐらいの数になるのだろうか。雨粒の大きさは、何によって決定づけられるんだろうか。
雨の成分には何が入っているのだろうか。雲の中で水以外のものを取り込んで雨になって地上に落ちてくる。蒸発した水が雨になるまでの時間や歴史もよく分からない。
「お父さん、空には青い雲と白い雲があるやろ」
小さいときにそう言った娘は、
「雲って水の集まったもんやでな」
と訊くと
「当たり前やん。水蒸気は目に見えへんで。雲は水でできてんで」
といとも簡単に答える。
「地上に降りてくるまでにどれだけの時間がかかるん」
「それは知らんわ」
これも簡単に返事が返ってきた。高い雨雲は地上2000メートル。代表的なのは積乱雲。そこから雨が落ちてくる。
雨のことを考えていると知らないことばかりだった。
Subscribe
Login
0 Comments