カーボンオフセットでいいのかどうか?
橋本で会議をしていると、屋根に当たる雨の音が次第に大きくなって、人の声が聞き取りにくくなった。たたきつける雨の音がかなり長く続いた。
「61年生きてきて、8月に1週間以上もこんな激しい雨にあうようなことは経験がなかったのではないか」
ぼくはそう言い、さらにこう続けた。
「地球温暖化をくい止めるタイムリミットまであと7年という話がある。この点でカーボンオフセットという考え方でいいのか疑問がある。CO2の排出の絶対的な削減を進めることなしに、くい止められないのではないか。都会で出したCO2を田舎の森林で吸収してプラスマイナス0という考え方でいいのか。2050年までにCO2の排出を0にするというが、先送りではないのか」
CO2の絶対的な排出削減を徹底的に進めることを鮮明にしつつ、カーボンオフセットを副次的に進めるという考え方でないと、カーボンオフセットが、CO2排出の免罪符にようなものになってしまう。CO2を出してもカーボンオフセットがじつげんすればいいじゃん、というような考え方は極めて危険だ。CO2を最も排出しているのは産業界だ。ここでの削減を先行させつつ、家庭での削減までを視野に入れて方針を立てないと、責任の所在と対策は明らかにならない。個人の意識の問題に中心的な課題があるのではない。
まだまだ不勉強だがそう思っている。一度、地球温暖化の基本的な考え方については、きちんとした論理と視野を自分のものにしたい。