決算委員会での総括質疑

雑感

午後、決算委員会の総括質疑が行われた。町長と3人の参事、教育次長の出席のもとで開かれた。事前に提出していた質問項目に対し、答弁が各参事と次長からあり、その上に立って質疑が行われた。いろいろな質疑を聞いていて、物事を理解するためには、概念をきちんと把握することが極めて重要だということに気がついた。

それができていないと話がぼやけてしまい、本質には迫れない。曖昧な認識では問題の中心部分をつかめない。事物の本質に迫るためには、専門用語も含めて学習することと物事を構造的、立体的に把握することが必要になる。そうしないと質疑をしても、答弁者が語っていることさえ理解できない。

答弁から始まって新しいことを考えはじめるということも重要だ。知らないことは多い。知らないことに出会ったときに大事なのはアンテナが立っているかどうか。知らないことをスルーするのではなく、そこに爪を立てて記憶に残し、自分で調べれば認識が深まる。そういうことも考えた。

町長に対する総括質疑の一番の特徴は、率直性だった。この態度は突出していた。いいものは受け継ぐが、悪いものはあらためるという姿勢は、積極的に評価したい。紀北分院が地域医療の分野に向かおうとしていることも、答弁で示された。
西部公園については、クラブハウスの建設計画が大きなものになり、計画の予算枠を食い潰したので、前町長は町単独費を活用してでも事業を推進する姿勢だった(この西部公園は、下水道樹事業の周辺整備:関係する1市3町が広域の施設として建設費を負担。全体計画には1市3町の合意が必要)。しかしこの事業内容は、地元にも1市3町の首長の場にも報告しなかったことが明らかにされた。令和2年度、西部公園の建設事業がこういうものになっていたことを議会は見抜けなかった。もちろん、町長と町当局が議会には報告しなかったところにおおきな原因があった。しかし、町当局が方針の全容を隠していたとしても、地元同意がない状況がどうなっているのかを具体的に把握して、取材をしていれば、事業の全容は明らかにできた問題だった。この事業について、工事請負契約の締結議案が出されたとき、予算でかなり多面的に質疑したこともあって、誰も質疑をしていない。一連の経過を振り返ってみると、議会によるチェック機能を果たせていなかったことが浮き彫りになった。議会がチェック機能を果たせなかった問題は、深く反省しなければならない。
今回の町長に対する総括質疑は、町長による率直な態度表明に対し、決算委員会がどうそれらをどう具体的に報告するのか、問われるような内容だった。

あんぽ柿の処理施設についても、ぼくの追及は非常に甘かった。笠田中の圃場整備の問題は、徹底的に追及するという態度で臨んだが、同じ姿勢であんぽ柿の処理施設の建設に向き合っていたかといえば、極めて不十分だった。自分の持っている感覚に甘さが侵入していたといわなければならない。笠田中の圃場整備で起こっていたような問題が、他の分野でも多面的に進行していたのに、追及できなかったのは、日本共産党議員としては深く反省しなければならない。これは、自分の議員活動の原点に関わることだと思う。おかしいと思うことはその感覚を糸口にして徹底的に事実を把握する責任が議員にはある。

決算委員会でこういう反省ができたのは、今回の収穫の一つだった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明