日本社会が壊れそうだ

雑感

毎日生活していて、気持ちの悪いことがある。物価が高騰し、電気代も上がってきている。賃金は上がらない。中小企業の7割は、賃金を上げられるような状況にはないという。その中で5年間で43兆円の軍事費を確保する議論がなされている。まともな議論であれば、現在の状況下では年間8兆円を超えるような軍事費の拡大はできない。国民に負担を求めたら国民生活が破綻するだけでなく、日本経済が破壊されてしまう。こういう議論が出てきて不思議ではない。

一体、日本に未来はあるのか。こういうレベルの問題が、政府の前にも、経済界にも、国民の前にも提起されている。それなのに、くらしの問題と軍拡の財源問題が切り離されて描かれている。誤魔化しきれないほど矛盾が激化し、にっちもさっちも行かなくなっているのに、涼しい顔をしている。とくに政府とメディアは。

「欲しがりません。勝つまでは」
こんなスローガンが聞こえてくる。そこに行くまでに今度は、日本社会が壊れそうだ。

自衛隊のポスターが役場の総合文化会館に貼られていた。もうかなり前からこのポスターはあった。「国家を守る、公務員。」「陸海空自衛官」──国家には、広義と狭義、両方の意味がある。
ブリタニカ国際百科事典を引用しよう。
 「(1) 広義の固有の国家とは,統治の主体としての統治機構である政府と,統治客体としての人民をともに含んでいるが,政府だけをさして国家と呼ぶこともあり,語源的に国家とは,この狭義の概念に由来している。」
このポスターを作成した防衛省は、「政府だけを指して国家と呼ぶこともあり、語源的に国家とは、この狭義の概念に由来している」ということを知っていてなお、あえて自衛官の仕事を「国家を守る、公務員」にしたと思われる。なぜ「国を守る、公務員。」としなかったのだろうか。国家=政府でもあるので「政府を守る、公務員」、このポスターにはこの意味も含まれている。当然ながら自衛官の任務の一つは政府を守ることにある。
洋の東西、武装した軍隊が、その国の国民に対して銃を向けた例は多い。軍隊は、政府を守るために国民に銃を向けるケースがある。
戦前、「国体護持」という言葉があった。国体とは、天皇を中心とした国家体制のことだった。満州でも沖縄でも国体を守る軍隊は、国民を守らなかった。政府を守る公務員は、果たして国民を守ってくれるのだろうか。
戦後77年が経つ。戦前の考えから日本は進化しているのだろうか。


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雑感

Posted by 東芝 弘明