アメリカの戦争に自衛隊が参加する、ここに法案の本質がある

雑感

「戦争法」だという話をしても、「それは何ですか」という人が多いのには驚かされます。
日本が戦争に参加しようとしている、という話がなかなか伝わっていないことを感じます。日米関係が日本の唯一の軍事関係です。アメリカは湾岸戦争以来、一貫して日本に対し、血を流す負担を求めてきました。日米安保条約を地球的規模に拡大し、日本はアメリカ軍の兵站を担う。これがガイドラインで具体化された中身でした。このガイドラインの実現のために、この夏までに法案を成立させたいといい、アメリカの国会で約束してきたのが安倍首相です。

アメリカとの約束にもとづいて、安全保障法案を国会に出し、議論が始まると、アメリカの関係をごまかしながら議論を進めています。
「アメリカの戦争に自衛隊が参加する」
ここに戦争法案の中心命題があります。
アメリカ本国が、外国との戦争で攻撃を受けたのは、日本による真珠湾攻撃だけです。戦後のすべての戦争は、アメリカによる戦争への介入やアメリカの攻撃による戦争でした。日本は、アメリカの戦争に対し反対したことがありません。イラク戦争は、アメリカを中心とする有志連合による侵略戦争でした。自衛隊はこの戦争を支援するために、サマワまで出て行きました。
こういう戦争に自衛隊は参加するのか。これが問われています。

この問題を覆い隠すために、中国や韓国北朝鮮との対立を利用しているということです。
もう一つ、へんてこりんな議論は、「中国や北朝鮮は何をやるかわからへん」という議論です。
戦後、国連が確立し、自衛のため以外の戦争は国際法違反となりました。侵略戦争は認められないというのが、国際的に確立した認識です。侵略戦争は無法、国際法違反ということです。つまり、一方的に戦争がいきなり起こる、ということはありえないということです。

このような状況になっているのでアメリカは、大義名分を作ることに必死でした。ベトナム戦争のときは、北ベトナムの手によって、アメリカの船が攻撃を受けたとして北爆に踏み切っていきましたが、これはアメリカによるでっち上げっでした。
2003年のイラク戦争のときには、イラクは大量破壊兵器を持っている、アルカイダとフセインは関係があるということなどが、先制攻撃の理由であり、テロとの戦いだとして、先制的自衛権を唱えました。こういう権利は、アメリカが作り出したもので、国際的には全く認められませんでした。
これ以外のアメリカの戦争介入の口実は、集団的自衛権でした。同盟国から支援の要請を受けたから介入したということです。
アメリカは、先制攻撃も辞さないという国です。こういう態度を表明している国は、アメリカ以外にありません。

ガイドラインでは、ありとあらゆる兵站活動を日本が担う約束をしています。この約束のよって、武器も燃料も日本持ち、自衛隊も派兵することになるので、このための法整備がどうしても必要。これが、今回の法案の中心命題です。
繰り返します。
「アメリカの戦争に自衛隊が参加する」
ここに、今国会の最大の問題の一つがあります。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

雑感

Posted by 東芝 弘明