原稿はメモ、本番は生、これでいい。

雑感,議員の活動

一般質問準備の最終日、役場に質問原稿のメモを渡しに行った。原稿を渡すのはあんまり面白くない。夕方これに対する答弁書なるものが帰ってきたので、質問の内容をさらに見直した。
国会にも質問通告による打ち合わせがあるようだ。前にテレビを見ていたら、質問のときに使用する資料は何かまで、細かく確認されている。ただし当局とのやり取りはここまで。あとは官僚が大臣の答弁も含めて、一生懸命想定問答集をつくる。さて本番はどうなるのか。
この前、元文部科学省の事務次官の方が、講演で語っていた。想定問答集の中から答弁を大臣に差し出す。大臣が質問に答えて、答弁を読み上げる。ただし、人間なので答弁書の渡し間違いが起こる。賢い大臣は、すぐに間違いに気がついて、答弁書を替えるよう指示するか、自分で答えるようだ。でも、中には、問われたことにかみ合わない答弁書を平気で読み上げる大臣がいるという。そういう大臣は話にならないらしい。

ぼくが注目したのは、国会はあくまでも想定問答集の作成であって、どのような質問が飛んでくるのかは知らないという緊張感の中にあるということだ。したがって、答弁がとんちんかんだったり、止まったりする。ときには、安倍さんのように有名になった「私や妻が関わっていたら、首相も国会議員も辞める」というとんでもない発言まで飛び出す。

これがテレビ中継されるので逃げられない。国会には真剣勝負がある。
地方自治体は、本会議における真剣勝負になれていない。テレビカメラが入っているのできちんとしたいというような傾向が、多くの自治体にある。元鳥取県知事の片山善博さんは、地方自治体の議会のこの姿に対して「八百長か学芸会」だと言った。互いに下を向いて原稿を読むのだから「朗読会」なのかも知れない。

国会と同じように真剣勝負になるよう工夫したい。原稿は間際まで手を入れる。ぼくの場合、1時間という質問の制限もあるので、まずは質問原稿にしばられつつ質問を始めるが、いつも途中から離陸する。そうなると質問原稿は見なくなる。答弁書にどう書いているのか、それもあんまり関係がない。十分な準備の上で真剣勝負をするために最後まで努力する。

質問終了後、原稿を後で見直すと質問の展開の仕方が違っていたりする。原稿はメモ、本番は生、これでいい。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

雑感,議員の活動

Posted by 東芝 弘明