面白い研修会になった

雑感,出来事,議員の活動

「議会のデジタル化とDXから見える これからの議会運営の姿とは」というタイトルで橋本市、九度山町、高野町、かつらぎ町の議員研修会が開催され、講演の後、議員による意見交換会が開催されました。講演の講師は、長内紳吾氏で、この方は、一般社団法人地方公共団体政策支援機構の代表を務めておられる方でした。

タブレットの導入は議会にとって必須という話をするのかなと思っていると、全く違う話でした。議会のデジタル化、DXとは何かというお話は、自治体が保有している情報が、今多面的にデジタル化され公表されており、それを活用すれば議員による政策提起は、多面的に可能だということです。たとえば、5年に一度の国勢調査。この調査は国でデジタル化されており、かつらぎ町の所得分布、住所地ごとの年齢構成の地図化などが行われています。こういうデータを活用すれば、政策は見えてくるという話です。議会は議事機関なので議員による話し合いが大事だということです。議員間協議によって政策を組み立てていき、議会による政策提案を行い、自治体の施策を変えていく仕事をしようという提起でした。

視野を大きく広げていただくものだと感じました。「意見は人によって大きく分かれるが、事実にもとづいて意見交換をすれば、意見は一致する」という話は名言でした。講師の長内さんは、まだ40代と若く、早稲田大学で自治体議会の議会改革ランキング調査を行っていた方ですが、そこを飛び出して法人を立ち上げて、地方議会を相手に講演や研修を行っている人です。本を出していないか検索しましたが、Amazonでは検索できなかったので、本の出版は今後のことかなと思いました。

議会改革に対しては、「もう止めませんか」という問題提起をしていました。議会改革をおこなっても自治体の施策は大きく変わらないし、議会の役割も大きく変わらない。大事なのは議員間協議による議会からの政策提案と、自治体の施策の変革にあるということです。そういう問題意識の中で「議会改革はもう止めませんか」という話でした。
ただ、議会のルールはがんじがらめです。このルールの変更を行いながら自分たち議会の活動の幅を広げる必要があるので、議会改革は必要です。議員の自由な意見交換である議員間協議も、現在の議会の仕組みでは、大きく起こってこないので、議員間協議を議会のルールとして組み込む努力は必要です。こういう努力をおこなっていくと、新たな議員間協議への飛躍も起こると思います。議会改革に全く取り組んでいない自治体議会は、そういう点では議会改革をやめて政策提案できる議会になるためには、「議会改革」を行う必要があります(笑)。

議会の服装を自由にした自治体議会の紹介をしていましたが、それは会議規則の見直しを必要とします。多くの自治体議会は、会議規則を変更するという視点が欠落しています。いわば会議規則を不文律の文書のように理解しており、本会議における3回という制限のある質疑も「変えることのできないルール」だとする捉え方が圧倒的に多いと思います。議会基本条例を作るのであれば、会議規則やその他の条例にも手を入れなければ、改革は始まらないという問題が横たわっています。

かつらぎ町議会は、議会基本条例の見直しに伴って、会議規則を含め変更しようとしています。議会は、議案を変更しうる力をもつ必要があるので、自分たちのルールは自分たちで組み立てる能力が必要です。今進めている議会基本条例を中心とした見直しは、議会における法務能力の向上とリンクしているので、やり切る必要があると思っています。

意見交換会の中で3回の質疑のことがテーマになりました。長内さんがこの議論の場にいてくれたことによって、3回というルール設定は、戦後議会で議論が起こらないようにという考えで作られたものだという話が長内さんから出され、問題点を明らかにして議論するためには、5回質疑を行う必要があるとう話をしてくださいました。
ぼくにとっては、5回ルールをかつらぎ町議会にも導入しようと考えた瞬間となりました。面白い変化が起こりそうです。


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Posted by 東芝 弘明