患者輸送車と救急救命
一般質問が終了した。今回の質問者は4人だった。ぼくは2番目に質問席に立った。質問の途中ですこし詰まってしまった。花園地域の患者輸送車についてしゃべっている時に、取材した情景が蘇ってきた。言葉につまり、声が震えてしまった。人の命に関わる現場に対面し、患者を輸送しかできない患者輸送車の現実は過酷だと思う。
日本の救急は、救急救命士を配置することによって、一刻も早く医療機関に運ぶだけの使命だった救急車を、緊急時には医師の指示のもとで気道の確保や静脈路の確保、AEDなどによる心機能の回復によって、命を救うものに変えて行った。調べると日本の救急救命のシステムは、アメリカのシステムを一部見習って導入されたものだった。ただし、アメリカの場合、救急救命士にあたる人は、医師の判断、指示なしに、救命措置を施せるようになっている。養成期間は4000時間にのぼるという。
救急救命士の使命と役割を認識して質問を準備すると、患者輸送との違いが鮮明になった。
「今日の質問のメインは患者輸送のことやったな」
質問を聞いたある人は、そう言った。
思いは伝わったのかも知れない。
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