浦沢直樹さんの鉄腕アトム

雑感

浦沢直樹さんの「PLUTO」(全8巻)をAmazonで購入した。524円だった。鉄腕アトムを浦沢直樹さんが、浦沢流に描いたものだった。久しぶりに読んだ漫画だった。アマゾンのレビューは、かなり辛口だった。
創作の苦労を知らない人は、「こういう点が描けていない」ということをかなり辛辣に書く。でも書き手の苦労を知っている人は、不十分さを徹底的に、きつく批判しない。「終わっている」というような書き方はしない。

ロボットが精密な人工知能を持つようになると、人間と同じような感情を持つに至るという描き方が面白かった。無線LANが実現し、通信が全世界で可能になったことを前提に描くと、ロボットは、無線で超ハイレベルの通信を行えるようになる。
テレパシーのような通信が、全世界を舞台に可能になる。こういう描き方をしたり、様々な機器のネットワークに入りこんでデータを取ったり、遠隔操作したりしても違和感なく受け入れることができた。

手塚さんが、鉄腕アトムを描いた頃は、ハイテク技術に依拠しながら考えることはできなかったが、現在ではもっとリアルに、具体的に描けるようになっている。鉄腕アトム以上にリアルな描写になったのは、1951年のアトム誕生後50数年の歴史のなかでコンピュータ技術が発展したことによる。
手塚さんが今の時代に現役の漫画家といて生きていたら、この「PLUTO」は、生まれていなかっただけでなく、手塚さんの手によるリアルなアトムが世に出ていたかもしれない。

そういうことも考えさせられたが、浦沢直樹さんの鉄腕アトムを描いた「PLUTO」は好きな作品になった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明