新しい知識を得る

出来事

朝の連続テレビ小説のべっぴんさんを見ているとすみれの娘のさくらが結婚する話になった。一人息子と一人娘の結婚で、坂東家か村田家のどちらの姓を名乗るのかという話になったときに、すみれの夫である紀夫のお父さんである田中五郎に話を聞こうとなった。紀夫は婿養子なので結婚したときの親の思いを聞けば、何かヒントになるということだった。
田中五郎は、戦争前から大学の教授だった人だ。
久しぶりに坂東家にやって来た田中五郎は、飾られていた家族の写真を見て次のようなことを語った。
「人間は、形を変えていろいろな人の意志を受け継いで命をつないでいくのではないか。家を継ぐとかいうことはそんなにたいした問題ではないのではないか」

なかなか名せりふだったと思う。姓を継ぐことに対するこだわりがぼくにもあった。東芝というかわった名字が好きだということもあるからだろう。でもそういうことがそんなに重要なことなのではなくて、命が形を変えて繋がって行くことの方が大切だという考え方を今まではなかなかもてないできた。ぼくの子どもは一人娘。結婚するとなると姓をどうするのかという問題が当然発生する。世界の大勢のように夫婦別姓ができていれば、こういうことを全く考えなくてもよくなるが、保守的な政治勢力の力も強いので、夫婦別姓がそんなに早く実現することもないだろうと思う。
娘が相手方の姓になることも十分に考えられる。そのときは、べっぴんさんの田中五郎のように考えればいいのだということを今から考えておきたい。

○○家というようなものの見方考え方は、庶民であった人々が持ち始めたのは、明治以降、全ての人々が姓を名乗れるようになってからの話だ。庶民が姓を獲得した歴史はそんなに古くない。江戸時代、庶民は姓を名乗ることさえ許されていなかったのだから。そうであるのに、姓にこだわるのは小さなことだろう。ぼくの出自でいえば、侍ではなかったことが確かなので、江戸時代からずっと姓が続いてきた訳ではない。姓にこだわって結婚を躊躇するのは、少し長い目で見れば、かなり滑稽なことなのではないだろうか。

テレビドラマが、新しい視点を与えてくれることもあれば、一冊の本が認識を大きく変えてくれることもある。毎朝見ているドラマが、新しいものの見方を与えてくれた。新しい知識に出会うのは面白い。


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Posted by 東芝 弘明