バスの窓から見える景色

出来事

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近視用の、つまり老眼鏡をかけて、バスの中で『家族八景』を読んでいた。
ふと窓の外を見た。窓の外では、札幌の街並みがゆるやかに流れ、銀杏並木に重なる様にコンクリートの建物が見えていた。
バスの窓は、前の座席とぼくが座っている座席の2つ分の大きなものだった。
綺麗だなと思って眺めていると重なっていた建物が次第に銀杏並木の中に消えていった。不思議な景色だった。
街並みに景色が変わっても、景色が重なるように見え、消えていく。メガネを通して見ている景色は、肉眼で見るより綺麗に見える。
消えていく景色は、反対車線の側にある景色が窓に写り込んでいるものだった。
しばらくの間、景色に景色が重なり、消えていく様を見ていた。夕暮れの光のいたずらに心惹かれていると、バスは北海道大学の正門前に着いた。

出来事

Posted by 東芝 弘明