陳情についての討議の準備

出来事,議員の活動

陳情に対する準備に時間がかかり、眠るのが遅くなった。沖縄の普天間基地の問題の原点はどこにあるのかという赤嶺政賢衆議院議員の前衛の5月号の論文が役に立った。沖縄県民がどうして、普天間基地の閉鎖と辺野古基地建設の中止という態度を鮮明にしてきているのか、よく分かる内容だった。沖縄では、普天間の危険を辺野古にもっていくのは反対、県外に移設していいとも考えていない。たたかう中でこういう姿勢が次第に鮮明になっている。

沖縄県民の気持ちに寄り添うのであれば、このことを理解する努力が必要だ。辺野古が唯一の解決策という日本政府に対し、どうして県民投票で7割を超える人が辺野古基地建設に反対という態度をとっているのだろうか。この謎を追求していけば、答えが見えてくる。

陳情は、沖縄県の普天間基地の閉鎖と辺野古新基地建設反対は、住民投票によって鮮明になったと書き、しかし、辺野古基地建設反対では、普天間基地の固定化につながるので、代替基地が必要かどうか、国民的な議論を行い、日本の全ての自治体を対象として、基地の国内移転も考えるべき、この趣旨に沿って意見書を上げていただきたいというものだった。
しかし、普天間基地の国内移転が沖縄県民の願いなんだろうか。陳情に対して考えるべき点はここにあるだろう。

辺野古基地建設反対で住民の意思が示されたというけれど、沖縄県の中で一地域の問題を県民みんなで考えて、住民投票を行い、基地建設反対が多数を占めるというのは、奇跡のような合意だと思う。和歌山県に置きかえてみよう。和歌山県の一番北の端にある橋本市で地域的な大問題が起こったとしても、新宮市の人がその問題を実感をもって考えられるだろうか。地域限定の問題で、県民全体の多数が基地建設反対となったのは驚くべきことではないだろうか。

沖縄の民意は、運動を続けてきた中で次第に鮮明になってきた。それは、分断と対立や立場の違いを乗り越えて広がってきたものだ。分断と対立は、沖縄県に対する国の経済支援というお金も絡んで引き起こされてきた。当然自民党の中には、安倍内閣を支持して基地建設を推進している人々もいるし、米軍基地で働いてくらしている人もいる。原発推進のときに地元に企業がお金をばらまいて、推進派を組織し、国も原発立地の自治体に交付金を支給する中で、住民間にも意見の対立が生まれるように、沖縄県でも同じようなことが行われてきた。

沖縄の辺野古基地問題に対する反対運動は、こういう難しい問題を乗り越えて世論になってきたものだ。
「辺野古基地建設はやむを得ない」──そう信じ込む前に、具体的に調べ、考えるようにしてほしい。辺野古基地建設とは何か、海兵隊とは何か、普天間基地とは何なのか、現状はどうなっているのか、日米地位協定とは何なのか、沖縄県内での普天間基地と辺野古基地建設は、どのような位置を占めているのか。どうして、辺野古では日本政府が100%お金を出してアメリカの米軍基地を建設しているのか、アメリカはなぜ沖縄県民と向きあっていないのか、これらの疑問を紐解けば、日本の本当の姿に出会えるに違いない。そうやってつかみ取った現実は、あなたの生き方を変える力になるのではないだろうか。


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出来事,議員の活動

Posted by 東芝 弘明