損害賠償の報告と議案

出来事,かつらぎ町議会

6月会議が始まった。平成29年の10月の台風によって浸水した島地区と渋田地区の損害賠償関係の議案が11本出された。国が管理上の誤りを認めたのは、11時30分から午前2時30分までの3時間だ。国の指示を受けないまま樋門操作員が現場を離れたのは、安全管理上責任を果たしていなかったとして、この時間帯について責任を負うという形になった。国の支持を受けずに現場を離れた3時間の間に浸水が起こった可能性があり、この時間帯、国は責任を果たせなかったという考え方だ。

現場から樋門操作員を撤収させたのはかつらぎ町だったが、樋門操作に責任を負っている国が、損害賠償額の9割を担い、かつらぎ町が1割を担うという形で責任分担がなされた。委託事業の責任は委託先にあるが、国は、樋門操作委員から報告を受けて撤収するかどうか判断しなければならないという関係にあった。報告を受け判断しなかった責任を国は重く受けとめた。町が報告義務を怠った責任は、扱いが軽かった。

11時30分以降に浸水したと判断された場合、被害総額に補正係数として1を掛ける。出された先決処分の報告の中には、補正係数1というケースがあり、被害額の全額が支給されていた。その一方、かなり早い時間帯に浸水した企業に対する補正係数は0.2なにがしというケースもあり、被害総額の約2割ほどの損害賠償額となっていた。
例えば9時過ぎに浸水して11時30分頃にかなり浸水の水位が高かった場合、計算された被害額に対して、かなり小さい0.いくつかの補正係数を掛けることになる。この計算方法でいえば、早い時刻に浸水被害を受けた個人の住宅と企業は、損害賠償額が低くなってしまう。被害総額が大きいのに損害賠償額は小さくなる。和解に至っていない個人と企業の中には、この問題が横たわっているのではないだろうか。

ぼくは、2017年10月24日、10月22日の台風による浸水が起こった現場の現地調査を行い、個人住宅と企業の要望を聞いて回った。その中から出てきたのは、かつらぎ町に対する説明会の開催要求だった。役場に行き説明会を開いてほしいという要望を出し、後日説明会が開かれると、そこに政府と自民党国会議員及び県会議員が乗り込んできた。町によるこの説明会は、国との交渉という形にもなった。
被害関係者の中には、政府に関わっている自民党議員と関係の深い人がいて、この人の力もあって国の損害賠償という形になっていった。ぼくもいち早く動いたことによって、説明会を計画できたのは良かったと思う。自然災害に対して、国が損害賠償を認めた事例は少ないのではないだろうか。

提案説明だけでは分からない部分については、調査をして確かめたい。


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出来事,かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明