イラン問題で志位委員長が記者会見

出来事,政治

2020年1月7日、赤旗一面トップでアメリカによるイラク国内でのイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官をドローン攻撃で殺害した事件に対して、志位委員長が声明を発表した記事が掲載された。日本国内で、この問題に対して、真正面から見解を発表した政治家はいない。このような事態になっていることこそが大問題でもある。安倍総理は、アメリカの不法行為に対し、言及しない態度を取っている。

もし仮に日本の羽田や成田空港で外国の要人がアメリカの手によって一方的に殺害されたらどうするのか。イラク国内で起こった事件は、何重にも国際法に違反する無法な蛮行だった。アメリカの不法行為に対して一切きちんとものを言えない日本は、アメリカの要請を受けて自衛隊を派遣しようとしている。この問題に対して、真正面から追及できない日本のマスコミは、責任を果たせていない。こういう事態の下で日本共産党志位委員長が見解を表明したことは特筆に値する。政治とは何か。政治家はどう責任を果たすべきか。一つの答えがこの見解にある。

志位委員長声明での一問一答

2020年1月7日【2面】
 日本共産党の志位和夫委員長が、声明「トランプ政権の無法な軍事力行使を非難し、外交的解決の道に立ち戻ることを求める」を発表した6日の記者会見での一問一答は次の通りです。

米国、イランをはじめ関係各国、日本政府に声明を伝達する

(冒頭発言から)

 この声明は、本日(6日)、米国とイランおよびイラク政府に対して申し入れとして、伝達する段取りを取っています。また、国連の安保理常任理事国であるイギリス、フランス、中国、ロシアの政府にも伝達する段取りを取っています。日本政府に対しては、本日、穀田恵二国対委員長が、自民党の森山裕国対委員長と連絡を取り、伝達する段取りを取っているところです。そういう形で各国政府ならびに日本政府に対して、声明を伝え、それぞれの努力を求めたいと思います。

 とくに、アメリカに対しては、無法な軍事力行使をただちにやめて、外交的解決の道に立ちもどること、とりわけイラン核合意への復帰を強く求めていきたい。

首相会見――米国の武力行使への批判が一切ないことが大問題

 ――安倍総理が(6日の)記者会見で、「中東情勢について現状を深く憂慮している」「すべての関係者に緊張緩和のための外交努力をつくすことを求める」と述べたが、具体的には、米国の攻撃に対しての批判や支持、理解など言及がなかったことについてどう受け止めていますか。

 志位 「中東地域が緊張の度を高めている」と安倍首相は言ったが、誰がその緊張をつくったのか。その根源はどこにあるのかということが問題です。それに対する言及、批判が一切ない。これが大問題です。

 事態の根源は、トランプ政権のイラン核合意からの一方的離脱にあります。これが緊張をつくりだした出発点にあったのです。

 今回のイラン司令官の殺害は、主権国家の要人の殺害です。どんな理由があったとしても、主権国家の要人を空爆で殺害することは、国連憲章に違反した無法な軍事力行使です。それに対する批判なしに、ただ、「緊張の度を高めており、現状を深く憂慮する」と言い、ただ、「全ての関係者に緊張緩和のための外交努力をつくすことを求める」と言っても、何の意味もありません。問題は、アメリカの無法をきちんと批判するかどうかです。

 戦後、自民党の歴代政府が、アメリカが行った数々の武力行使について、国際法違反として批判したことは一度もありません。

 安倍首相が、この明々白々な国際法違反に対してどういう態度をとるか、私は注目して(首相の会見を)聞きましたが、一切、批判的なコメントはありませんでした。

 そして、この「記者会見」は一体、何なのかと率直に思いました。(メディアの)誰一人として一番問われるべき点を問おうとしなかった。

 アメリカの武力行使を是とするのか非とするのか、一番肝心な点を誰も問おうとしなかった。これで、メディアの役割を果たし得るのかと思います。

「外交努力」といいながら自衛隊派兵――言っていることと、やっていることが全く違う

 志位 もう一点は、(安倍首相は)会見で、「全ての関係者に緊張緩和のための外交努力をつくすことを求める」といいながら、自衛隊の中東沖への派兵はやるという。言っていることとやっていることがまったく違うではないですか。

 トランプ米大統領が対イラン「有志連合」を呼びかけたことに、事実上応えて、安倍政権は、自衛隊を出すことを決めました。軍事力の展開によってこの地域に重大な危険をもたらそうとしています。まさに、トランプ米大統領のお先棒を担いでいます。「外交的努力をつくせ」と言っていることと、実際にやっていることが全然違う。安倍首相は「(イランと米国の)橋渡し外交」だといいます。しかし、イランの側には核合意を順守せよと言い、トランプ大統領に対しては核合意への復帰を一言も言わない。これは普通「橋渡し」とは言わない。お先棒外交です。

 こういう二つの大きな問題点があります。日本政府の立場も徹底的にただしていかなければなりません。自衛隊の派兵は直ちにやめるべきです。

 この問題は、ぜひ野党でもよく相談して、協力して対応していきたいと考えています
 日本共産党の志位和夫委員長は6日、国会内で記者会見し、2020年の政局の展望や安倍改憲、カジノ汚職などについて、記者団の質問に答えて語りました。

「追及」とともに「希望」を語る――この両方を心がけたい

 志位氏は、20年の政局の展望について問われ、「今年をぜひ野党連合政権に道を開く年にしていきたい」と表明。「そのために私たちの姿勢として、『追及』とともに『希望』を語る、この両方が大切だと思っています」と強調しました。

 「追及は徹底的にやります。『桜を見る会』の疑惑、カジノ汚職。断崖絶壁まで安倍首相は追い詰められています。追及をやるというのは、この日本の政治に民主主義を取り戻すということです。決してこれはただ壊すだけではない、新しいものをつくるたたかいでもあるわけです」と力を込めました。

 志位氏は、「同時に、国民のみなさんに、暮らしの希望、平和の希望、人間らしく尊厳をもって生きる希望。そういう希望が見えてくるようなメッセージが伝わるような取り組みが必要だと思います」と強調。「そのためにはなんと言っても野党が連合政権をつくる。そしてその連合政権において、立憲主義を取り戻し、格差を是正し、多様性を尊重する、そういう方向に政治を切り替えることです。そういう方向で、野党がしっかりよく話し合って、連合政権への道を開いていく、そして、安倍政治にかわる希望が見えてくるような、そういう年にしていきたいと思っています」と語りました。

「9条改憲は許さない」という国民多数の思いを受けて、安倍改憲を断固阻止する

 志位氏は、安倍晋三首相が同日の記者会見で、「通常国会で改憲原案の策定を進めたい」と述べたことについて問われ、「自民党改憲案を憲法審査会で提示するという野望は絶対に許さない」と表明しました。

 志位氏は、安倍首相が繰り返し、「国民は憲法を議論せよという審判を下した」と述べていることについて、「昨年の参議院選挙で国民が下した審判は、改憲勢力の3分の2割れです。ですから、改憲にたいしては、そういう形で、発議を急ぐことに対するノーの審判が下っているわけです」と反論。「安倍首相がいくら力もうとも、国民多数の思いは、安倍政権の下での改憲は許さない、9条改憲は許さないという思いです。その思いを受けて、野党は、安倍首相の思惑――特に、自民党改憲案を憲法審査会で提示すること――、この野望は絶対に許さない。発議を許さない、この立場で頑張っていきたいと思っています」と表明しました。

カジノ汚職――「成長戦略」の目玉にすえてきた安倍首相を直撃する大問題

 カジノ誘致をめぐる収賄容疑で内閣府の元副大臣だった秋元司衆院議員(自民党を離党)などが逮捕されたカジノ汚職問題について問われ、志位氏は、「大きな疑獄事件に発展する様相を呈してきたと思います。国会としても真相の徹底究明をやっていきます」と力を込めました。

 その上で、「この問題は、安倍首相を直撃する問題だということを強調しておきたいと思います」と指摘。「安倍首相がまさに中心となって、カジノを『成長戦略』の目玉に位置付けて、一連の法案を強行してきました。そのなかで、こういう汚職事件が問題になったわけだから、これは人ごとではなく、安倍首相自身を直撃する、安倍政治が問われる問題だと思います」と強調しました。

 カジノ汚職が、安倍首相自身の疑惑が問われている「桜を見る会」私物化疑惑に並ぶ問題となっていると指摘した志位氏。「野党は、この二つの大問題について、『追及本部』をそれぞれ立ち上げて共同して追及していくということを確認しています。そういう取り組みを強めていきたい」と力を込めました。

ゴーン容疑者の出国――検察、法務当局の責任はきわめて重い

 志位氏は、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の無断出国問題について問われ、「あれだけの重大犯罪の容疑者に対して、一定の保釈金を払えば保釈するという甘い対応をした結果だということだと思います。こうしたことが、曖昧なまま許されたら、日本はもう、法治国家の体をなさなくなる大問題です」と強調。「検察の責任、法務当局の責任、法務省の責任、そして政府の責任はきわめて重いと考えています。裁判所の判断の問題も問われてくるでしょう。きちんとただしていかなければいけません」と語りました。


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Posted by 東芝 弘明