ツバメの巣 2005年6月6日(月)

出来事

わが家の玄関にある明かりの上にツバメが巣を作っている。最近のぞいているとひながかえっていた。これがその写真だ。普通は、こんなところに巣を作らないと思う。
なぜこんなところに巣を作ったのか。何となく思い当たる節がある。
3年前に中古物件を買い求めてこの家に引っ越してきた。
妻の夢は純和風の家に住むことだった。不動産会社の仲介物件広告を何となく見ていて、妻の目にとまったのがこの家だった。
「お父さん、見るだけでいいからこの家が見たい」
これが、この家に引っ越しするきっかけだった。
引っ越しした年の5月頃だったろうか。男の人が家の前に立ってこちらをじっと見ていたことがある。
「何かご用ですか」
「あんまり、屋根が立派なので見ていました」
男の人は、屋根瓦の職人さんだった。
「どこが普通の家と違うのですか」
男の人は、ひさしを指さした。
「普通、こんなにひさしは長くありません。ひさしをこんなに長く作っている例はあまりないんです。垂木も普通よりも多く、横のさんも数が多いでしょう。瓦も普通の家の1.5倍は使っていますよ。見ていて飽きませんね」
「へえ、そうなんですか」
ひさしが長いので、ツバメが飛んできて屋根の下にはいるとどうしても屋根に近い位置に着地することができない。ひさしの下に入ってくる角度で言えば、ちょうど玄関の明かりの上ぐらいに巣を作るのが精一杯のような感じだ。
これが、変わったところに巣を作った理由のような気がする。
しかし、このままでは、お客さんが立った位置にツバメのフンが落ちる。これはかなり深刻な問題だ。何とか対策を講じないと、来てくれた人の頭に大量にフンを落とすことになりかねない。
この問題があったので、ツバメが巣を作りかけたときに、なんとか作らせないようにしようかと話していた。しかし、躊躇している2日間ぐらいで巣ができてしまった。
おばあちゃんが一言いった。
「生き物の巣を動かして、何かあったら『ツバメの巣を動かしたからや』とか言うようになるで」
これが、殺し文句になった。
夜になると電気がともり、まぶしいのに親ツバメは卵をかえし、子育てをおこなっている。
前の家に住んでいたときも、ツバメが巣を作ってくれた。
前の家で、ツバメが巣を作った年に娘が産まれた。わが家に幸せを運んできたと思ってきたツバメ。
頭に産毛を生やし、黄色いくちばしをした子どもたちを見ていると、こんども幸せを運んできてくれるような気がする。


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出来事

Posted by 東芝 弘明