午後2時まで休み 2005年7月23日(土)

出来事

朝5時50分起床、日曜版と日刊紙を配達し、自宅に帰ると8時をまわっていた。
そのまま2階に上っていくと娘が自分の部屋のベッドに潜り込むのが見えた。
隠れている娘をコチョコチョする。
「なんでわかったん」
娘は笑いながら布団をめくりあげた。
「おとうさん、じゃんけんしよ」
2人はそれぞれ、スタンプを持ってスタンプの数で勝敗を決めるじゃんけんゲームをはじめることにした。
「最初はグー」
「あいこでしょ」
娘はグーの次にチョキを出す癖がある。
グーの次にグーを出すと、連続してぼくのはんこが増えていった。
気がつくころを見計らってチョキに切り替えるとどんどんぼくのスタンプの数が増えていく。
9対2まで開きが出るとだいぶ悔しそうな感じになってきた。
「最初はグー」
「あいこでしょ」
グーを連発していくと、娘はパーを出し始めた。
19対16ぐらいの所まで娘が盛り返してきた。
そうなると真剣に引き離すことを考える。
24対20
この辺で娘が、提案した。
「30になったら勝ちやで」
26対27
28対29
29対29
さあ、最後の勝負になった。
「最初はグー」
「あいこでしょ」
「あいこでしょ」
「あー」
ぼくがグーで娘がパー。
60回近くのじゃんけん合戦は娘の勝利で終わった。
頭の芯が痛くなり眠気が襲ってきた。
午前中は休むことにしていたので、寝室で寝ることにした。
目が覚めたのは10時10分過ぎだった。
台所の食器を食器洗い機に入れ、お鍋を洗った。
11時30分頃から妻と2人で昼食を作ることにした。土曜日の定番はスパゲッティだ。
ぼくは大根半分ぐらいをおろしにした。
細麺のスパゲッティをお皿にのせ、その上に大根おろしをのせる。おろしの真ん中を少しくぼませて、オイルを切ったツナをのせ、マヨネーズをツナにかける。さらにその上に細長く切った味付けのりを散らす。好みで粗挽きコショウをかけ、ソースはポン酢。最後に醤油を少々。これで出来上がり。
あっさりとしたスパゲッティだ。
娘のスパゲッティは、紫タマネギの入ったナポリタンだ。
ミックスキャロットをみんなで飲んで、さらに近所でもらった桃をジュースにして飲んだ。
昼食の後、また眠たくなったので少しうたた寝をした。早朝配達の日が続くと寝不足が積み重なってくる。寝不足が積み重なると頭が痛くなる。バッファリンを1錠飲んでも痛みは取れなかった。
起きてから、読みかけの本、赤川次郎さんの「さすらい」を読んだ。日本の近未来、ファシズムが完成する直前の世界を描いた作品だった。マスコミは事実を描かず、独裁的な首相を一切批判しなくなった世界、盗聴が警察権力によって自由におこなわれ、自衛隊が海外で戦争できるようになった時代を描いていた。警察権力が増大し、危険分子に対しては自由に家宅捜査ができる時代になっていた。
これは、日本の近未来を一つの可能性のある問題として描いた作品だ。この世界にはまだ距離がある。しかし、この世界が全くの架空だとはいえない現実味があるから怖い。
現実の日本では、盗聴法が実現し、有事法制が実現した。来年は、全ての市町村で国民保護法制に基づく計画が作成される。国民の基本的人権は、緊急時に強権をもって制限され、販売の自由さえコントロールの対象になる。訓練まで国民に押しつけられる。
米軍と自衛隊の動きは国家機密であり、国民の側からはブラックボックスだ。
ビラを配布したというだけで逮捕される時代は現実のものとなっている。
マスコミが描く世界は、日本社会を再現せず、ゆがんだ鏡のように違った世界を国民の前に見せ始めている。
永久不変だった基本的人権の制限が、法律に書き込まれる時代になり、これに合わせて憲法をかえる動きが焦眉の課題になりつつある。
2時に事務所に行った。今日も暑い一日だ。
新聞配達の最中も頭のどこかが痛かった。夕方になってこの痛みはようやく消えていった。
夕食をとろうとしたとき、娘が「ちょっとしんどい」といった。
熱を測ると38度もあり、大きな懐中電灯でのどの奥を見ると少し扁桃腺が腫れている。
夏風邪らしい。
夜、事務所で会議があったので10時に帰ってくると、まだ娘はうつろな目で起きていた。
「まだ熱が下がらない」
妻はそういった。おでこには冷えピタが貼られている。
ラジオ体操を楽しみにしていたのに、これじゃあ参加できない。
「風邪を治すことの方が大事だよ」
「うん、わかった」
いつもよりも素直な返事だった。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

出来事

Posted by 東芝 弘明