合併後初めての臨時議会 2005年10月20日(木)

かつらぎ町議会

臨時議会が開かれた。花園の議員8人が加わって26人の議員が議場にすわることとなった。委員会も総務文教常任委員会が9人、厚生常任委員会が9人、産業建設常任委員会が8人という体制になった。
本会議は9時40分過ぎに始まり、町長があいさつに立った。
このあいさつの最後に、「収入役から給料を5%、3か月返納する申し出があり、それを認めた」という報告があった。
このあと収入役が就任のあいさつのために登壇した。
収入役は、あいさつの冒頭、「先般、新聞紙上に書かれた件につきまして、議会の権威を傷つけ、かつらぎ町と旧花園村の住民の名誉を傷つけたことを衷心からお詫び申し上げます」という主旨の発言をおこなった。
町長の報告と収入役のこの発言で、収入役が商品券を配った問題については、これで一応けじめがついた。
今回の議会は、旧花園村議員の常任委員会や特別委員会の選任の議題とともに、旧花園村の各会計をかつらぎ町の各会計に統合するための議案を審議することを目的としたものだった。
提案説明に3時頃までかかり、議員全員協議会がおこなわれ、質疑は4時から始まった。
花園村は今、7億3000万円ほどの予算をかけて5か年で林道の建設と森林公園などの建設をおこなっている。林道の建設費は5億7000万円、公園の建設は1億4000万円である。
林道は、高野龍神スカイラインから花園村に降りてくる道の改修をおこなうもので、観光バスが村内に入れるように道を造るというものだ。
この道の建設だけでは補助金と起債の充当が認められなかったので、森林公園を作ることになった。しかも、森林公園は最初、恐竜の大浴場を作り、4番目の大きな施設にするという話だった。しかし、この事業は実現できず、望んでいなかった森林公園になったが、この公園をどのようなものにするかという基本コンセプトはまだ未確立だという。
花園村への林道改修は、多くの施設へのアクセスを容易にするということで、必要なものなのかも知れないが、それを実現するために1億4000万円もかけて公園を作らなければならないというのは、まさに本末転倒だ。
お客さんに来てもらいたい施設を作るために道を建設しようというのはわかる。しかし、そうではなくて、1億4000万円の施設建設は、道路を造るための単なる手段なのだ。これは信じがたい。
ぼくは、「森林公園は、小さな子どもにターゲットを絞ったものなのか、もう少し大きな子どもたちにターゲットを絞ったものなのか、大人を対象としたものなのか」を問いただした。
具体的な話は返ってこなかった。
17年度の事業費は2億630万円。このうち自治体が出す一般財源は161万円程度である。国費と県費がたくさん下りてきて、しかも残りの事業費のほとんどに過疎債を適用できる。しかし、国費や県費、過疎債も税金であることにはかわりがない。
「基本的なコンセプトを確立して建設しないと、できる施設は数年間で死んだ施設になってしまう。複数人でコンセプトを確立すべきだ」
ぼくはこう主張した。
町長の答弁は、「花園の自然を生かす」という言葉を繰り返し、非常に抽象的で観念的な話に終始した。
苦笑してしまった。
かつらぎ町は、財政危機だと言いながら、合併問題ではなれ合い人事をおこない、最近は漫然と行政を運営しているように思えてならない。
ぬぐっても、ぬぐっても「ぬるま湯運営」という言葉が頭から消えない。
花園村の建物関係の宿泊人員のキャパは、600人だと答弁した。ここにはオートキャンプ場は入っていない。キャンプ場を含めると1000人を遙かに超える収容定数がありそうだ。
人口の2倍を誇る収容定数ということになる。
黒字だったらすごいと思う。
でも実際は赤字。これは大変な実態だ。
赤字の原因は、観光客の減にある。赤字を圧縮するために職員の人事異動をおこなったら、今度は一般会計の予算が足りなくなり、特別地方交付税に「希望的観測」を込めて2000万円を上積みした。
「こんな会計の組み方はないぞ」という視点で質疑をおこなった。
赤字経営の現状を打ち破っていく方針は今のところない。
議会は、5時30分から町内の宴会のできるお店で懇親会を開く予定にしていた。しかし、4時から始まった質疑は6時30分までかかり、議会が終了したのは6時40分頃だった。
今回の懇親会には、町の3役も主席する予定だったようだ。当局を含めた懇親会には、党の議員団は参加してこなかった。なれ合いが生まれるような土壌づくりには線を引いてきたということである。こういう態度をとってすでに15年になる。
「なんなよ。お前ら、つきあえよ」、「いこらよ」
こんな言葉でお誘いがかかるが、丁寧にきっぱり断らせていただいている。
例外なのは決算委員会。全ての審議が終わった日に議員で打ち上げをおこなう。委員会は解散するので後腐れがない。もちろん割り勘である。
飲み食いに公費が出る習慣は、かつらぎ町にはないが、議員と当局による忘年会は議会終了後毎年おこなわれている。このような懇親会は当初予算が可決された3月議会でもおこなわれる。当局が参加する理由ははっきりしている。
「ま、おひとつどうぞ。お手柔らかに」
当局との間に一線を引いて襟を正す価値はあると思っている。


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かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明