iPhone13Proに移行した

雑感

2年が経過したので新しいiPhoneに機種変更しに行った。そのために午前中休みをとった。
10時の開店前にお店の前で待っていると、1分ほど前にシャッターが開いた。
ネットで予約、お店で対応だったので「おはようございます。予約をしている東芝です」と言ってあいさつした。
それなのに、対応してくれた女性社員に必要事項を紙ベースで書かされた。どうなっているの?という感じだ。
カウンターの椅子の前に座っていると、パソコンでの顧客検索が始まった。女性社員が言った。
「お客様はpovo(ポボ)に入られているので、機種変更はすべてネットでしていただくことになります」
「………」
「povoは、すべてネットで行うことになっています。店頭では取り扱わないことになっています」
「………では、今日は機種変更は駄目なんですか」
povoに入って月々の支払いが安くなったと喜んでいた。いつも料金をiPhoneで確認していたが、povoからすぐにauに飛ぶ(移遷)のでauとの契約がそのまま続いているのだと思っていた。
「povoで予約番号を発行していただければ、機種変更はできると思います。とにかく予約番号を発行してもらってください」
これだけでは何のことか分からなかった。話を聞いていると、携帯の電話番号そのままで会社(キャリア)を乗り換える場合は、機種変更を店頭で行えるけれど、「2年間で残りの機種のローンがなくせるかどうかは、センターに問い合わせてみないと分からないので確かめてみます」ということだった。これでようやく予約番号がキャリアの乗り換えのために必要であり、povoとの契約を解約するための作業だということが理解でした。
センターからの返事は、2年間が過ぎれば機種変更はできる。半分残っているローンは肩代わりしてくれるということだった。そうなると、問題は携帯の電話料金がどうなるかだ。povoからUQへという選択肢は、UQが販売しているのはiPhone12であり、13は販売していない、ということだったのでパスした。
せっかくだからiPhoneの最新機種にしたい。それを実現するためには、まずauに入り直す必要があった。
女性社員からは、auに入ると携帯電話代が高くなるので、数か月後にUQに入るという方法があり、こちらは店頭で切り替えできるとアナウンスしてくれた。プランを検討すると、auに入るとiPhone13Proで月に12000円ほどかかり、UQに切り替えると8000円程度に下がるということだった。13Proを選択しても料金が数か月後には、今以上に安くなるということだった。UQが安いのは、60歳以上の電話かけ放題が年齢的配慮で安くなるということ、パケットの利用プランが20ギガでもpovoより安いということだった。60歳といういやーな年齢も悪いことばかりではない。
「UQの回線は、au優先なので回線スピードが遅いと聞いたんですが」
「それは都会の話です。この田舎では遅くはなりません」
ということだった。田舎なので回線の混雑は起こらないのだという。もし起こるとすれば災害時だろう。でも災害時は、どのキャリアも役に立たない可能性がある。
「今年の3月になればUQに切り替えることができる」という話も確認できた。これはうれしかった。
それが確認できたので、povoを解約してもう一度auに入会することにした。
「予約番号の発行は10分ぐらいでできますよ」
という励ましの声に背中を押してもらって、店頭のカウンターで予約番号の発行手続きを進めていった。途中、1回操作を失敗したので、最初からやり直し、結局15分ほどかかったかも知れない。
「できました」
予約番号の表示を見せてからは手続きがスムーズに進んで行った。
パケット20ギガは、議会だよりの編集時と、ズーム会議を行うときに必要になる。最大15ギガほど使用したときは、オンライン演説会や学習会が2回あったときだ。20ギガあれば少なくとも2回、計5時間ぐらいは、iPhoneをルーターにしてテザリングで動画通信ができる。
予約手続きの間、お店にある保護ガラスとカバーを物色した。とにかく、最近は忙しいのでネットとにらめっこして安いカバーと保護ガラスを探すことはめんどくさかった。4600円でカバーと保護ガラスを買い、お店で付けてもらった。保護ガラスは貼る手数料が100円いった。何もかも有料サービスになり始めている。賃金の上がらない国になって、企業の儲けが先細っているので手数料を稼ぎたいという欲求が席巻し始めているということだろうか。

最後に下取りしてもらうためにiPhone11のリセットを行った。最終リセットボタンを押すと、iCloudにデータが自動で保存された。「おっ、すごいねえ」と思った。ぼくの場合、多くのデータは常にMacとシンクロしているので、iCloudへのデータ保存は嘘のように速かった。

「いまは何も入っていない状態ですから」
女性社員はそう言い、ぼくも「そうですね」と答えて、「ありがとうございました」と言ってお店を出て、すき家にチキンカレーを食べに行った。カレーを食べながら少しiPhoneを触ると、連絡帳もメモもカレンダーも写真も音楽も最新の状態だった。メールも新しかった。どういう訳かメッセージが少しだけしか入っていなかった。新しい機種へのデータ移行の仕方は驚異的だ。何もしないのに基本的な移行は完了する。

午後、事務所にもどり、会議の準備をしながらMacと新しいiPhoneを接続して、バックアップからiPhoneへの復元を試みた。この作業は一度iPhoneをリセットして、1からデータを移行することになる。別の作業をしながらデータの移行が行われた。ソフトを同じ場所に同じ形で移行するのに少し時間がかかっていた。どれだけの時間が必要だったのか計測していなかったのでよく分からないが、夕方には、今日までもっていたiPhone11と同じ感じに仕上がった。
昔から今日まで何度もこのような移行作業をして思うのは、データの移行が信じられないくらい簡単になったことだ。昔はCDを小高く積み上げて、新しいMacに一つずつソフトを入れ、移行すべきデータをメディアから移してなどという作業を半日以上かかって行っていた。今はデータ移行のためにMacとMacをケーブルで繋いで、ほんの少し同意のボタンを押せば全部作業が終了する。新鮮味がなく素っ気ない。
機種が新しくなっても中身は全く同じ。新しいパソコンを買った、新しいiPhoneを買ったという新鮮味がない。しかし、Windowsのユーザーが、一からパソコンを設定している苦労を横目で見ると、Macの世界の新鮮味のない「再現」作業は心底ありがたい。新鮮味よりも簡単に環境を再現する方がいい。これもよく分かる。

「いま、この瞬間にMacが潰れても、データもシステムも全部、ほとんど同じように再現できる」
Appleのデバイスは、個体は仮の姿、データは全部引き継がれるということになりつつある。デバイスの保存容量が大きくなっているので、動画などを扱わない限りは、データが満杯になってMacが動かなくなるということもなくなった。4年間使っているぼくのMacBookProもSSDはまだ半分以上空いている。

終わりは、ぼくが死んだときだろう。どの会社とどんな契約をしているのかが見えないまま命がつきる。残された遺族に支払いという迷惑がかかる。半生以上の蓄積されたデータがあるのに、「もうクラウドサービスを中止にしますか」と問われ、遺族が「はい、いいですよ」と同意すれば、Macに蓄積されていたデータが全部消滅する。この一言で遺族は、家族が多く共有していた思い出を失う。失うことの意味を知ったときに、データは再現できなくなっている。その可能性も高い。
そういう時代に入りつつある。一番味気ないのは死んだときかも知れない。



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雑感

Posted by 東芝 弘明