忖度との向き合い方

雑感

朝、車検のお金を払いに行くと、iPhoneとカードリーダーをブルートゥースで繋いでクレジット決済をするという形に出会った。この仕組みは初めてだった。少し驚いた。しかし、考えてみるとiPadで連携させて決済するのと同じことだなと思った。

この用事を済ませ、コンビニでコーヒーを買って紀の川市の事務所に行った。リーフ作成の続きを行うのが目的だった。事務所に行くと杉山県議もいたので、少し話を聞いてから読みかけの本を読んだ。11時を回った頃から手書きのラフレイアウトを作成した。考え方は昨日整理してあったので、行動変容を促すことを重視しながら、何を伝えるのかという柱を明確にして作業を進めた。

政治は、国民の世論とかけ離れていると思ったことはないだろうか。最近の国葬についても、議員の多くは国葬に賛成している。かつらぎ町議会でも国葬中止3人、国葬賛成9人という結果だった。47人の知事のうち、参列しなかったのは4人、参列したのは44人、県議会議長の47人はすべて参列した。

国葬令が戦後廃止されてから国葬については法的な根拠がなくなった。吉田茂さんの国葬が佐藤栄作首相(当時)の判断で閣議決定のみで行われたが、そのときも反対運動が起こり、翌年の国会では、国葬をするためには法的根拠があるべきという答弁がなされ、その後、国葬は行われなくなった。この歴史的経過からみても、国葬に法的な根拠が必要だというのは明らかだろう。
国民の6割を超える人が、法的根拠のない国葬に反対した。手続きに異を唱えた人、安倍さんという政治家の実績からすれば国葬にはふさわしくないと反対した人。こういう人が多かった。問題は、どうしてこの国民の意思が政治の世界に反映しないのかということではないか。

4年前の杉山県議の誕生は、紀の川市民の声を県議会にまっすぐに届けることのできる議員の誕生を意味した。また杉山県議の誕生は、住民のためになる制度をきちんと住民に伝えて暮らしを守る議員の誕生を意味した。紀の川市選出の県議は3人、杉山県議はそのうちの1人。貴志川町在住の県議は、貴志川線存続の質問はしているが、議会で訴えたのはそれのみ、粉河在住の県議は、議長を務めていたこともあり、この4年間、議員としての発言はなし(途中で市長に立候補したため県議を辞職)。
共産党議員である杉山県議の誕生は、市民・県民の声を議会に届ける新しい出発になった。コロナ対策では、15回に及ぶ申し入れを共産党の議員団として行い、無料PCR検査や介護施設や学校への抗原抗体反応検査キットの配布を実現した。もちろん、コロナ対策の質問は、杉山県議を含む4人の共産党県議が、分担しながら行った。杉山県議は、県が作った宿泊・飲食の支援事業が十分活用されず、市民にもうまく伝わっていないなか、県に行って申請用紙と資料を受け取って100件以上の業者を訪問した。このことによって、制度に繋がったお店はかなりに上った。杉山県議には感謝のことが多く届けられた。

教員を40年間続けた実績をもつ杉山県議は、教育の専門家なので、学校を訪問し管理職や教員から学校の実態を聞き取り、それをもとに繰り返し県議会で教員の増員や予算の増額、県主催の独自の学力テスト中止などを求めてきた。学校現場の声がまっすぐ県議会に届く。紀の川市民の努力が県議会に届くという新しい変化が生まれた。

県議会議員は県民のために動く。これが本当の普通の姿。しかし、共産党の県議が誕生しないとなかなかこういうことが生まれない。ここに残念な現実がある。

カジノ計画が県議会で否決される画期的な出来事が起こり、それが仁坂知事の引退に繋がった。県議会の中で共産党の議員は一貫してカジノ計画の中止を求めた。他の県議の中には、推進のために海外視察に行った人も多かった。紀の川市選出の議員にもこういう人がいた。和歌山市でカジノ計画の中止を求める直接請求署名が2万筆を超えるという極めて大きな運動が起こった。しかし、和歌山市議会は、この直接請求署名によるIR住民投票を求める議案を反対多数で否決した。否決した議員の中には、議会は間接民主主義だから住民の直接請求や住民投票の実施に懐疑的な議員もいた。この意見は、地方自治体に対する基本的認識を欠くものだった。未だにこういう認識の議員がいて、反対に回るのは驚きだった。
県議会におけるカジノ計画案の否決は、和歌山市内の直接請求の署名運動なしには実現しなかったと思う。今の議会における力関係のなかで、住民の意思を議会に反映させるためには、住民は血の汗を流すような大変な努力を求められるのだと思う。

なぜ、こうも住民の思いが議会に届かないのか。それは、多くの議員が国の政治や県の推進する政治を忖度して、空気を読んでそれに追随するからだ。国民主権、住民主権の立場に立って、住民の声を議会に届け、その声の実現で政治を良くするという立場に立っていない議員が多い。そこに痛みもないことを感じる。議員は特別な存在だと思っているのかも知れない。
日本共産党の100年の歴史は、住民こそ主人公、国民主権を徹底的に貫くというものだった。この当たり前だと思われる姿勢が、議会の中では圧倒的な少数を占める。しかし、日本共産党の議員が1人、誕生することによって、県議会に県民の声がまっすぐに届くようになる。この意味と値打ちは計り知れない。空気を読まず、忖度しない共産党の議員の主張は、長い時間がかかるが、次第に議会と行政を変化させる。

かつらぎ町で32年前、学校給食の実施を求めたのは日本共産党の2人の議員だけだった。保守と公明の議員は、この問題に対して一切のコメントをしていなかったし、当然議会で取り上げる議員もいなかった。町当局が実施を拒んでいる問題については、議会で取り上げないというのが、当時のかつらぎ町議会の姿だった。しかし、24年かかって学校給食が実現し、日本共産党の2人の議員だけの一般質問は、多くの保守系議員も積極的に行うようになり、住民の声が議会に反映するようにかなり変化した。もちろん、まだ国政に忖度する傾向は消えていないが。

今回の杉山県議のリーフは、杉山議員の届ける力に注目してリーフを作成した。紀の川市選出の議員の中で、極めて貴重な希有な存在。共産党は、この当たり前のことを貫く議員を求めている。当たり前のことなので、共産党以外の議員が、忖度なしに活動することを歓迎し、一緒に力を合わせることを望んでいる。議会で他の議員が共産党と力を合わせるようになると議会は変わる。

県民に何を伝えたいのか。何を書けば伝わるのか。今回はこの点で、昨日blogで紹介した谷浩明さんの本が役に立った。この本なしには、杉山県議のリーフはいいものにならなかったと思う(自分で言うか(^0^))。その点では議会だよりの広報研修は有意義だった。議会だよりの編集に活かす前に共産党の仕事に活かせたことも嬉しいことだった。谷さんに感謝したい。

写真は紀の川市の事務所の杉山県議の本棚。この人は徹底的に調べる人でもある。


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雑感

Posted by 東芝 弘明