8月15日、62年目の終戦記念日

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8月15日、第2次世界大戦が終わった日、大日本帝国が歴史的に敗北した日。日本とドイツとイタリアは、1940年に日独伊三国軍事同盟を結び、ヨーロッパ戦線ではドイツとイタリアが、アジアでは日本が指導的地位を占めることを確認していた。
軍事同盟の主要な規定は次のとおりだ(原文のカタカナをひらがなに変換した)。

第一条 日本國は「ドイツ國」及「イタリヤ國」の欧州における新秩序建設に関し、指導的地位を認め、且つこれを尊重する。
第二条 「ドイツ國」及「イタリヤ國」は、日本國の大東亜における新秩序建設に関し、指導的地位を認め、且つこれを尊重する。
第三条 日本國、「ドイツ國」及「イタリヤ國」は、前記の方針に基つく努力に附相互に協力すへき事を約する。更に三締結國中何れか一國か、現に欧州戦争又は日支紛争に参入し居らさる一國に依り攻撃せられたる時は、三國はあらゆる政治的経済的及軍事的方法に依り相互に援助すへき事を約定する。


この条約の規定を見るだけでも、日本とドイツとイタリアの軍事同盟が、きわめて侵略的な内容をもっていたことがわかる。
「あなたは、ドイツがおこなった戦争を侵略戦争と認めるのかどうか」
不破さんは、かつて国会でこのことを首相に迫ったことがある。これに対し、首相(誰だったのだろうか?)は、「後世の歴史家が判断する」と答弁した。
ドイツがおこなった戦争を侵略戦争だと認めたら、日本が引き起こした戦争も侵略戦争だと認めなければならなくなる。これを避けるための答弁だったが、結局、この答弁は、第2次世界大戦が、ファシズムによる侵略戦争だったという根本問題さえ認めないという態度になってしまった。
日本は、ヨーロッパ戦線におけるドイツの電撃的な侵攻を嬉々として喜び、フランスやオランダが占領されたことを最大限に活用して、これらの国が植民地であった地域に攻めることを確認し合っている。ドイツの侵攻が、三国軍事同盟を結ぶ大きな動機になったことも忘れてはならない。
不破さんは、この問題について、次のように語ったことがある(「日本の戦争—領土拡張主義の歴史 不破哲三さんに聞く」)。

ドイツが、四〇(昭和十五)年五月に、西部戦線での攻撃を開始して、ヒトラーご自慢の“電撃戦”で二カ月足らずの短期間にオランダ、ベルギー、フランスを席巻しました。その勝利が“ドイツといっしょにやれば、日本の戦争も前途が開ける”、“バスに乗り遅れるな”と、ドイツとの同盟ムードが一気に盛り上がったのですよ。
 東南アジアは、石油、ゴムなど戦争資源の宝庫ですから、もともと日本がのどから手が出るほど欲しい地域でした。しかし、そこはインドシナはフランス〔仏印〕、ジャワ、ボルネオ、スマトラ(現在のインドネシア)はオランダ〔蘭印〕、マレー半島(現在のマレーシア)はイギリスと、ヨーロッパ諸国の植民地でしたから、これまでは手を出すことができなかった。その本国が、みな、ドイツに攻めこまれてフランスやオランダは降伏し、イギリスもあわやというところに追いつめられている。持ち主(領有国)がいなくなって空き地になったんだから、いまこそ日本がその豊富な資源を手に入れるチャンスが訪れた。こうして、新たな領土拡張主義が、南方に向かってふくれあがりました。


第62回目の終戦(敗戦)記念日の今日、あの戦争とは何だったのかを振り返る意義は大きい。そして、安倍政権が、美しい国をめざして、あの当時の日本の国家体制への憧れを、目標に掲げて憲法を改正しようとしていることを、人類史への挑戦としてとらえることも必要になっている。
「戦後レジームからの脱却」。安倍総理は、この言葉を枕詞のように繰り返してきた。戦後の悪しき体制の中で、脱却しなければならないのは、自民党の支配体制だろう。この政党が中心になった政治は、金権腐敗のシステムの中でしか機能しなくなっている。
政治家が政治屋だと呼ばれて久しい。お金儲け=国会議員というほど金権腐敗が蔓延している。しかも、問題が発覚しても情報開示や追及が与党の中からは起こらない。
美しい国をつくるというのであれば、自民党という金権腐敗の政党は、歴史の舞台から退席していただきたい。この腐敗政治が温存される限り、国民のとっての、本当の意味での美しい国はできない。
戦争とファシズムへの礼賛。
群れをなしての靖国参拝。
この国の政治家は、タイムマシンなどないのに、過去に戻りたがっている。
戦前の日本の風土は今よりも美しかっただろう。
戦後、日本の美しい風土を壊してきたのは、世界に冠たる土建国家だった。
この土建国家を推し進めたのは、自民党政治だった。
戦後レジームからの脱却。
自民党の金権腐敗の政治が、克服されるのであれば、戦後レジームからの脱却も悪くない。


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Posted by 東芝 弘明