笠田駅前でのビラまき
笠田駅に着くと朝6時15分になっていた。
駅前には3人ほど姿が見えた。
車の後部座席に置いていた演説会の告知ビラを抱えて少し小走りになった。
近畿ブロックによる一斉宣伝の日、本日は一人でビラを配布することになっていた。
笠田駅は、単線のJR駅なので上りと下りの電車は、駅で対向車待ちということになる。
笠田駅の6時台の電車は3本。和歌山行きの電車を間にはさんで、あとの2本は上りと下りの電車が、笠田駅で対向車待ちとなっている。
この時間帯の電車の特質を十分理解していないあいだは、少し精神衛生上負担がかかっていた。
ホームに電車が入っているのに多くの人は、まだ60メートルほどの距離をゆっくり歩いてくる。小走りに駆ける人は少ない。
上りの電車が駅のホームに入り停車していても、下りの電車がやってきていない。時計を見るとまだ2分ほど発車まで時間がある。毎日駅を利用している人は、対向車待ちの時間の長さを知っているので、ホームに電車が停車してもあわてないで歩いているということらしい。
ビラの受け取り状況は90％ぐらいだろうか。
もしかしたら90％を超えているかも知れない。
1本目の電車がホームを出て行くと少しの時間、駅には誰もいなくなる。
笠田駅の前には、雑貨屋さんがある。
ここの女将さんは、同級生のお母さんですでに80歳を超えている。この家を継いだのは、同級生の姉の方だ。朝の早い時間帯にお店を切り盛りしているのは、お母さんの方だ。
見ていると、息つく暇もなくお店の陳列を整える。
実に良く動く。
お店の中に入っていたパン陳列用の3段式のワゴンを店の前に出したり、雑誌を陳列するための木の台を店の正面に据え付けて、雑誌を並べていく。TOBACCOと書かれたタバコ販売の商棚のガラスの上には、本日の新聞が種類ごとにまとめられ、ずらして並べられている。
お店の左手側には3台の自動販売機が並んでいる。左端には赤いコカコーラの自動販売機、一つおいて右側には、タバコの幅広の自動販売機がおかれている。この2つの販売機の真ん中には、白いポカリスエット自動販売機が肩身の狭い思いをしているかのような感じで挟まれている。
必ず新聞を買っていく人は男ばかり。何度ビラまきをしても女性が新聞を買った場面に出会ったことはない。
