学習のすすめ

雑感

Japanese bookshelf by chailey

学習のすすめ

 できれば、理論書(哲学、経済学、自然科学等々)と文学を同時並行で読むことをお薦めします。文学は、人間の生きた姿を時代の中に写しこんで描いています。理論書は、論理の力で真実を一歩一歩明らかにしますが、理論書だけでは、社会に生きる人間の息づかいや感情をリアルに把握することはできません。人生には限りがあり、一人の人間の社会的な体験には限界があります。他人の気持ちに寄り添える人間になるためには、理論書とともに文学を読む必要があると思います。相手の話をイメージ豊かに自分の中に再構築するためには、文学的な力が必要です。

 週に1冊のペースで読んでも年間52冊しか読めません。週に2冊読んでも104冊です。人生で本を読むといってもその数はたかが知れています。大事なのは忙しい中で学び続ける持続性です。ぜひ、学習計画を立てて毎日学習する習慣を身につけてください。学習計画は、忙しさの中で崩れますが、そのときは、また学習計画を立て直してください。そのことを通じて、年間何冊本を読んだかを一つの励みにすればいいと思います。

 読書の習慣がつくかどうかは、20代にかかっています。
 自分の経験したこと、見たことの中からどれだけ多くのことを学び取れるかどうかは、学習の量によって決まります。
 ことわざは、子どもにも100%理解できますが、同じことわざから学び取るものには、人によって大きな違いがあります。現象を形づくっている物事には、極めて豊かな本質が折りたたまれています。本質のすべてをくみ尽くすことは不可能ですが、人間は、限りなくこれらの本質をつかむことは可能です。現象からどれだけ豊かに本質を学びとるかは、生きた学習にかかっています。
 本のたった一言、わずか一行が視野を大きく広げる、そういうことが学びの中には必ずあります。くらしのなかに本があり、くらしと本とが響き合うような生活になるよう本を手元に置いてください。
 
 本を読み、文章を書かなければ、豊かな人間になることはできません。文章を書くことは、自分のものの見方考え方を深めることに繋がっています。読むことと書くことは、布を織る二本の糸です。色鮮やかな布を織ることを夢に見て読むことと書くことを続けてください。

 できれば、徐々に自分のお金で買い集め、本棚に本を並べてください。本の背表紙には自分を励ましてくれる力が宿っています。買い求めるスピードが読むスピードを上回っても一向にかまいません。買い求める意欲が、学ぶ意欲に重なります。
本は無限に広がる世界を本の中にしまい込んでいます。背表紙は、新しい世界に繋がる異次元への扉のように、あなたを待っています。


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雑感

Posted by 東芝 弘明