胸にしみた「ご感想」

雑感

天皇(さん)の年頭の「ご感想」を引用しておきます。
「昨年は大雪や大雨、さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ、家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。

 また、東日本大震災からは四度目の冬になり、放射能汚染により、かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時、それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ、地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています。

 本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。 

 この一年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、幸せな年となることを心より祈ります。」

天皇は、政治に対して権能を有しない存在(憲法第四条 「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」)ですが、同時に日本国憲法を守る義務があります(憲法第九十九条 「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」)。したがって、天皇が憲法を守るという発言を行うのは、政治的なものではなく、憲法の規定にもとづくものだということです。でも、今年の念頭の「ご感想」には、気持ちがこもっていました。
多くの日本人は、天皇と同じように、第2次世界大戦の結果として実現した日本国憲法を大切なものだと考え、日本国憲法と憲法第9条を守り、日本の平和を守りたいと考えている人が多いと思います。「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えてくことが、今、極めて大切なことだと思っています」という言葉をしっかりと受けとめて、戦争を知らない世代である私たちは、歴史から教訓を学びとる必要があると思います。
また、「ご感想」の最後の「この一年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、幸せな年となることを心より祈ります」という言葉には、近隣諸国を含め、平和友好を広げるべきだという意思が読み取れる文章だと思います。
天皇が書かれたこの「ご感想」は、自民党を含め、多くの人が胸に抱いている気持ちとも一致しているのだと思います。
日本共産党は、戦後の原点である恒久平和と国民主権、基本的人権を守る抜きたいと考えています。この考えと天皇の考えは、深く一致していると思います。保守的な方々を含め、戦後の原点を守ることは、広く一致できることであり、この立場こそ、安倍政権と著しく矛盾するものだということです。

自民党が、極右政権に牛耳られ、戦後の原点に真っ向から挑戦して、憲法を変え戦争をしようとしていることに対し、私たちは警鐘を鳴らしたいと思います。自民党の支持者の方々にも、次のように訴えたいと思います。
「あなた方が信頼してきた自民党が、すっかり変わってしまった。ネオナチのような勢力に政権を奪われている現実に向きあって、是非とも戦争への暴走を一緒になって止めていただきたいと思っています。日本共産党とも一緒に力を合わせて、戦後の原点を守りましょう。この原点を守ることが、21世紀の未来をひらく力になります」と。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

雑感

Posted by 東芝 弘明