ウソを平気で語る市長とのたたかい

出来事

IMG_7357

大阪市住吉区に2回目の支援に行った。今日、紀北地区から支援に入ったのは7人だった。富岡さんは3人できてくれた。
ぼくは、伊丹君と石井君の3人で住吉に行き、昼食をとってから事務所に入った。
ハンドマイクでの街頭宣伝を2回、駅頭でのビラまき宣伝に参加した。
昼過ぎに第1回目の演説をしたあと、歩いて道の角を曲がると、追いかけて来た男性に呼び止められた。
「税金はザルのように底が抜けて、むだ遣いされている。この問題を共産党も含めて誰も指摘しない。公務員の削減をすべき。もう税金の負担は限界を超えている。公務員の改革をしてくれるのは、橋下さんしかいない」
ほとんど一方的に、こうまくし立てられた。
橋下さんが、公務員を攻撃していたことが、この方の心をとらえている。

橋下さんは、大阪府と大阪市を一つにする、核を作ると言っているが、現行の仕組みのもとでは、こんな改革は不可能になっている。
何が実現するのか。
大阪市の財源を奪い強い大阪府を作ることが目的なので、市を解体して分解し5つの権限の小さな特別区を作る。特別区は、法人市民税や固定資産税などの財源を府に移管するので財政自主権が縮小する。自主財源は4分の1に縮小し1600億円程度になる。4分の3近い4600億円は府税となる。府は、大阪市の大きな財源を手に入れるので、カジノ誘致やリニアなど大型の公共事業を展開できるようになる。東京都のように吸い上げた4600億円の財源は、特別区に再配分されることになっているが、小さな権限しか与えない区にどれだけ再配分するのか、配分の比率は決まっていない。言えるのは、権限の小さい自治体には、仕事がないので財源を降ろしようがないということだ。
さらに特別区は、都市計画の用途指定などの権限を府に移管するので、基本的には都市計画の重要な権限を奪われてしまう。東京都の特別区は、小さな自治権を拡大するための努力を今日まで行ってきた。ほとんど知られていないが、東京の特別区が、基礎的な地方公共団体に位置づけられたのは2000年。そこからまだ15年目に入ったばかりだ。
大阪府と大阪市を一つにするなどと言うことはできず、できるのは、大阪府と5つの特別区。しかもこの特別区から、さらにことごとく権限を奪うために120事業を一部事務組合に移管して、共同処理を行うことまで予定されている。ここまで市町村であるはずの特別区から仕事を奪ったら、福祉や暮らし、教育の事業に多大な影響が出る。これは、自治体として機能しないほどの事態だろう。

政令指定都市になりたい自治体は、国内でもあるだろう。堺市もそうだった。政令指定都市は、都道府県の事務のかなりの部分を担える自治体なので、自治体として、ほぼすべての事務と権限を持っている。この政令指定都市である大阪市を制度的に改革するのは、地方自治体の破壊に他ならない。
都道府県と市町村という広域行政と住民に身近な自治との組み合わせで日本の制度は成り立っている。東京都という首都で、東京都の直轄地のような形で始まった特別区も、歴史的経過を見れば次第に自治権を確立し、一人前の地方自治体になる方向で制度が変化してきた。歴史的に形成されてきた役割分担が都道府県と市町村にはあるということだ。
橋下さんのやろうとしているのは、大阪市を解体して、ほとんど自主権をもたない特別区を作るところにある。権限と財源確保という点で理想的とも言える政令指定都市を解体しようとする橋下市長という存在は、地方自治の破壊者そのものではないだろうか。

橋下さんは、事実を正確に語る人ではない。
二重行政という状態はないと議会では認めながら、今もなお2重行政の解消だと言い放ち、大阪府と大阪市を一つにするという、できもしないことを平気で語り、大阪市の解体・廃止ではないかと批判すると「大阪市はなくなりません」と平気で言い、1億円の財源しか生まれないことが市の資料で確認されているのに、都構想が実現したら4000億円の財源が生まれると平気で言う。そもそも、大阪府は、今回の住民投票によって大阪市が解体されて5つの区になっても大阪都にはならない。都にならないのに都構想だと平気で言う。
事実にもとづいて反論されると、次第に言い訳しながら、切り返すときに「反対派のウソにだまされてはいけません」と平気で語る。
橋下マジック、橋下イリュージョン。こう呼ばれているが、マジックやイリュージョンを支えているのは、マスコミだろう。マスコミは、真実を明らかにするという社会の木鐸の機能を失い、双方の言い分をたれ流すだけの存在に落ち込んでいる。自分の頭では考えない存在に成り下がっている。

「住民投票で実現するのは大阪市の廃止、5つの特別区の設置です」という問題は、本来なら賛成と反対の双方が、共通認識とすべき事柄だ。「大阪市はなくなる」「いや大阪市はなくならない」「都構想実現」「いや都構想は実現しない。大阪府は府のまま」「権限と財源の小さな区ができる」「特別区によって財源は豊かになる」──こんなやり取りが繰り返されている。
どっちがウソなのか、ほんとなのか、というレベルのたたかいになっているのは、橋下さんに原因がある。市長として、事実をまともに語らず、事実でないことをどんどんしゃべる。しかもそれを行政の説明会の中で平気で行う。こうなると、運動は、市長のウソを暴くことに力点を置かざるを得なくなる。
自治体の長で、平気でウソをつける人というのは少ない。ウソをつき通す人とのたたかい。
ビラに市長の言葉を引用し、「それは真っ赤なウソです」と書かなければならない現実がある。こんな市長は、空前にして絶後かもしれない。
まさに大阪市と大阪府は、橋下徹という人物のウソに振り回されている。

市長のウソを徹底的に暴いて大阪市を守ろう。市民の多くがこのことに気づき始めている。ここに希望がある。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

出来事

Posted by 東芝 弘明