人口削減計画の話を聞かせてもらった
曇り空の下、打田町で演説をしていた。そんなに寒くはない。70メートルぐらい先から女性が歩いてきた。黒と赤のウインドブレーカーを着ていた。ぼくから少し離れて女性は道の端に立って聞いてくれた。少し緊張してきた。じっくり聞いてくれていたので力が入った。
終了後、頭を下げると歩いてきて話になった。
「学校給食の無償化、少し違うと思うんです」
「どう違うんでしょうか」
「無償化は仕組まれてて、低所得の人が喜びます。でもそれは計画なんです」
何の話だろうかと思いつつ、その話をじっくり聞くことにした。
「給食に虫が入っていたことをご存じですか」
「紀の川市の給食にですか」
「全国です」
給食を無償にして、人間に虫を食べさせる計画が進行中なのだという。話はここから始まった。
この女性の話では、安倍さんは4体あって「昨年殺されたのは偽物で、安倍さん自身は３年前に処刑されています」という。多くの政治家は既に殺されていて、人間の社会にはクローン人間やロボットが入り込んでいるので、80億人も人類はいないのだという。クローン人間は1体作るのに3000万円ほどかかるという話や、人間はある機械（名前もいっていたが）に入れば、30歳年が若くなるとか、原爆は地下から出てきて爆発させられたとか。驚くべき話がおもちゃ箱からあふれ出すような感じだった。
「コロナワクチンの中には、遺伝子組み換えのいろいろなものが入っている。あれは人類の人口削減計画で、菅総理は人口削減計画がうまく進んでいることを語ったことがある」
彼女はそう言った。「コロナウイルスは、存在していなくてウイルス感染は全て嘘だ」
確信を込めた話し方だった。
「ぼくも昨年夏ウイルスに感染しました」と言うと、
「ワクチンを打った人が感染します」と言い、「ワクチンはロシアンルーレットです。自治体のワクチン接種率のデータも全部改ざんされています」という。ワクチン接種でがんばっているかつらぎ町の保健師の顔が浮かんだ。
「首の長い人はロボットですよ」というので、芸能人の何人かの顔が浮かんだ。
「ゴムマスクをかぶっている人もいます。耳の形がおかしかったり、ゴムマスクの線がくっきり見えていたりします」とも言っていた。「ゴムマスクの人は、目が奥に引っ込んでいるような感じになります」と教えてくれた。
とにかく、インターネットで溢れている陰謀論を全部くっつけて物語を紡ぎ出しているような感じだった。
「今日の話を聞いていると仮面ライダーのショッカーみたいな話だと思いました」と言うと、
「そうそう、そうですよ。あれも虫の話でしょ」と言うことで、学校給食無償化で子どもに虫を食べさせるという話と結びついた。伏線の回収みたいだった。
この事実をこういう形で紹介したら、ぼくの命が狙われるかも知れない、ということのようだ。
